「小学生の子どもが、親のマナーを注意するように」=変わりゆく中国で浮かび上がる中国人の魅力とは?

Record China    2014年7月2日(水) 7時30分

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日本では今でも中国人の悪いイメージが広く伝えられている。それでも、中国で暮らす日本人は15万人に上り、中国人に好意的な印象を抱く日本人も存在する。では、中国人の魅力とは一体何だろうか?写真は北京。

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ここ数日、サッカーのワールドカップ(W杯)で日本人サポーターが試合後にごみ拾いをしたことが中国で絶賛された。ある中国人の友人は、「日本人が何をしても『間違いだ』という時代は終わった」と言う。確かに最近、中国メディアは日本人に対して非常に肯定的な報道をすることがある。一方、日本では今でも中国人の悪いイメージが広く伝えられている。それでも、中国で暮らす日本人は15万人に上り、中国人に好意的な印象を抱く日本人も存在する。では、そのような日本人を引きつける、中国人の魅力とは一体何だろうか?

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中国人はとにかく人情味豊かだ。親孝行をするのも、友達を助けるのも「当たり前だ」と言う。「困った時はお互いさま」と本気で考える人が多い。彼らは助けてもらった相手に対して、言葉で何度も「ありがとう」と言うことはあまりないが、その恩はしばらく忘れない。日本人は助けてもらうと、お礼に食事をごちそうするなどして「一区切り」つけるが、中国人は一度助けてもらうと、その後どんなことがあろうと味方になろうとするし、どんなに面倒なことでも相手のために最善を尽くす。その義理堅さは日本人の比ではない。

また、中国人は非常に勉強熱心だ。その「ハングリー精神」は尊敬に値する。大学の図書館では、自習を希望する学生が集中するため、整理券が配られるほど。留学経験がなくても、流ちょうに外国語を話す人も多い。現地で日本語を勉強する中国人と中国語を勉強する日本人が相互学習(互いの言語を教え合ったり、互いの言語で会話したりすること)をすることがあるが、中国人の勢いに飲まれ、ずっと日本語で話していたというのはよく聞く話だ。空いた時間にはアルバイトではなく、自習をする学生の方が多い。常に危機感を持ち、成績のためではなく「将来」のために勉強する意識が非常に強いというのが、中国人を知る友人たちの一致した意見だ。

しかし、そのような中国人の魅力は、日本人にはなかなか伝わらない。その理由の1つに中国人のマナーの悪さがあるのではないだろうか。今、中国人のマナーの悪さは世界的に有名だ。確かに中国人はマナーが悪い。ゴミを投げ捨てるのも、たんを吐くのも、当たり前だと思っている人が多く、注意すると「どうしてダメなの?」「みんなそうしてるし…」とまったく悪ぶる素振りをみせない。「中国で暮らしていた」と日本人に言うと、一番多い反応は「よくあんな国で…」だった。私自身、中国で暮らしていて、「どうして中国人はこうなのか」と葛藤したこともあった。

しかし、2010年に中国政府により「小中学校文明礼儀教育指導要網」が公布され、中国各地の学校でマナー教育が強化された。小学生の子どもが、親のマナーの悪さを注意する光景が見られる時代になった。なぜ最近、中国でこんなにも日本人のマナーの良さが注目されるようになったのか?それは彼らが自国のマナーの悪さに気付き、焦り始めたからだろう。列に割り込んだ人は周りから大ブーイングを受け、すごすごと後ろに並び直すようになったし、行動に移せるかは別として「何がマナーなのか」を理解し、注意する中国人も現れるようになった。

彼らの人情味やひたむきさといった魅力が、「マナーの悪さ」の陰に隠れてしまっている状況は、非常に残念でならない。一方で、徐々に変わり始めた中国人の姿に、「今後、より多くの日本人が、中国人の魅力に触れるはず」という期待感もまた、私の心の中で高まっている。

■筆者プロフィール:北村まい(きたむら・まい)

1989年、兵庫県生まれ。高校時代、一人旅で訪れた北京で中国の魅力に圧倒され、「どうせ学ぶならキレイな標準語を」と、極寒の地中国ハルビンに留学。4年間の現地生活で中国文化の奥深さと中国人のパワフルさの虜となり、「中国通」になることを決意。2014年秋より四川大学大学院で対外中国語教育を学ぶ。現在、中国語翻訳者として活動中。

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