プーチン氏が下した3つの決定、どんな意味が?―中国メディア

Record China    2022年11月12日(土) 8時0分

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10日、環球網は、「プーチン大統領が下した3つの決定は、どんなシグナルを発したのか」とする評論記事を掲載した。

2022年11月10日、中国メディアの環球網は、「プーチン大統領が下した3つの決定は、どんなシグナルを発したのか」とする評論記事を掲載した。

記事は、プーチン大統領のG20サミット対面出席見送り表明、ショイグ国防相によるロシア軍のヘルソン撤退命令、現状を考慮してウクライナとの交渉を望むとするロシアのザハロワ外務省報道官の発言というロシアによる3つの動きが、この2日間で国際世論から注目を集めたと紹介した。

その上で、プーチン大統領が対面によるG20サミット出席を見送った理由についてロシア国内では「参加する意味があまりない」「安全や健康を考慮して、オンラインによる参加を選択した可能性が高い」「米国はG20を使ってロシアを非難し、協力に向けて話し合うはずのG20サミットを対抗の場にしようとしている」といった推測が出ていると伝えた。

また、ロシア軍のヘルソン撤退については「ロシア側もはっきりと説明している」とし、対ウクライナ特別軍事行動司令官のスロビキン氏が「現状を全面的に評価した上で、ドニプロ川左岸で防御することを提案した。また、軍人の生命とドニプロ川右岸の限定区域を堅守する全体的な戦闘力を保護することが重要だ」と語ったことを紹介した。一方で、ウクライナ側は大統領府が「ロシア側にヘルソン撤退の兆候は見られない」とコメントし、ロシア側の発表に懐疑的な姿勢を崩していないとしている。

さらに、米バイデン大統領が米国の中間選挙後にヘルソン撤退を発表したことについて「興味深い」とコメントしたことを紹介。その背景には共和党のマッカーシー議員が中間選挙で仮に共和党が過半数を獲得した場合「(ウクライナに)白紙の小切手を書くことは不本意だ」と発言したことがあり、中間選挙で共和党が思ったほどの勝利を得られなかったため「バイデン大統領はいささか得意げに、『興味深い』と発言したかもしれない」と評している。

そして、ロシアとウクライナの交渉については、ゼレンスキー大統領がまず8日に「領土の完全性の回復、国連憲章の尊重、ウクライナに生じたすべての損失の賠償、戦犯全員への懲罰、今後同様の事態が発生しないようにすること」という5つの交渉条件を提起し、これに対してザハロワ報道官が9日に「彼らの目的は破壊的なものであり、交渉の必要はない」と突っぱね、ロシア国内でもウクライナ側の姿勢を非難する声が噴出したものの、10日にはザハロワ報道官が「現状を考えて、ウクライナと交渉を行うことを望む」と発言したという経緯を紹介した。

記事は、ロシア側の動きについてロシア問題専門家の張弘(ジャン・ホン)氏が「ロシアは米国とのコンセンサスが得られない状況でG20サミットに出席しても前向きな効果は得られず、しかもインドの外相がロシアを訪れたばかりであり、G20サミットで中国、インドとの協調性をアピールする必要性も低いことから、行って外交的な孤立を深めるくらいならば行かないほうがよい、顔を合わせるためにわざわざ行く必要はないと判断したようだ」と語るとともに、米国の中間選挙が終わったばかりで今後の米国政府の方針が定まっていない中、ロシアとしては機が熟すのを待ってから米国と交渉したほうが効率的だと判断したという憶測もあるとしたことを伝えている。

さらに、ヘルソン撤退からは、ロシアが一つの都市や地域の得失よりも、地政学的争い全体の中で安定とコントロールを求めており、世界に向けて「ロシアは西側との間で忍耐力が試される消耗戦を行う構えで、今冬だけでなく来年の戦いの準備まで見据えて動いている」との姿勢を示したことが見て取れるとした。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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