2022年10月4日、韓国・朝鮮日報は「北朝鮮が日本の上空を通過する中距離弾道ミサイルを発射したが、日本は5年前と同様、なすすべがなかった」と伝えた。その理由は「列島上空で最大高度に到達するミサイルを迎撃できる防御システムが日本にはないから」だとしている。

北朝鮮が4日に発射したミサイルは、最大高度約970キロとされる。17年8月と9月に発射し日本上空を通過した「火星12」は、最大高度550キロと770キロで、いずれも太平洋に落下した。記事によると当時、米軍の早期警戒衛星が数秒でこれを捉え、海上配備型迎撃ミサイル（SM3）を搭載した日本のイージス艦3隻がミサイルを追跡した。しかし、当時のSM3シリーズの最大高度は500キロで、北朝鮮のミサイルはこれを超えていたという。

イージス艦に搭載されるSM3、SM6は、弾道ミサイルの中間・終末段階を狙う。そのため、弾道ミサイルが大気圏に再突入する段階で迎撃する高高度防衛ミサイル（THAAD、最大高度150キロ、日本には配備なし）や最終段階で迎撃するパトリオット（PAC3、射程20キロ、航空自衛隊千歳基地に配備）は「無用の長物」であると、記事は説明。「17年のミサイル発射当時、日本政府は『日本の被害が予想されないため迎撃を行わなかった』と発表したが、実は基本的に迎撃できない」「また無理に迎撃を試みて失敗した場合も、万が一成功した場合も論争が予想される」としている。

さらに記事は、日本が理論上、北朝鮮のミサイルを迎撃できる方法は「ミサイル防衛（BMD）イージス艦が北朝鮮領海に入り、発射台に近接した状態で、正確な位置とタイミングで相対的に速度の低いブースター段階にあるミサイルを迎撃すること」だと説明しているが、米軍事専門家らによると、それでも狙える機会は1～2分にすぎないという。日本海上にレーザーガンや迎撃ミサイルを搭載したドローンを飛ばし、北朝鮮のミサイルを狙うという案も、ブースター段階を狙うものだが、ドローンによる迎撃はまだ米国内での構想段階だと伝えている。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は何をしてるんだ。先制打撃はしないのか？」「韓国も核武装を急ぐべきだ。話の通じない北朝鮮には、核しかない」「韓国も安心していられない」「韓国の上空を飛ばないからって他人事ではないぞ」「韓国も日本も台湾も、核武装すべきだと思う」「途中で何かあって日本に（ミサイルが）落ちたら戦争が始まってしまう。文在寅（ムン・ジェイン）前大統領）が送り続けた資金が、北朝鮮にここまでのミサイルを造らせたんだ」「韓国もこれまで、北のミサイル開発にたくさんの支援をしてきたよ」などの声が寄せられている。

また、「金正恩（キム・ジョンウン）は日本に武装の口実を提供している。日本を助けているも同然だ」「北朝鮮が日本に軍事大国化しろとたきつけている」「日本が北を滅ぼすために動くのなら支持する」「日本は内心、大都市に落ちることを期待してるかもしれない。核保有、自衛隊の国軍化の名分が立つのだから」といったコメントも見られた。（翻訳・編集/麻江）