世界が「スタグフレーションの落とし穴」に?専門家「今後10年は地政学的競争が激化」―中国

人民網日本語版    2022年7月13日(水) 16時30分

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ロシア・ウクライナ紛争や西側諸国の制裁、ロシアの対抗措置は、グローバル化や世界の貿易、エネルギー構造などにどんな影響を与えているのだろうか?写真はモスクワ。

ロシアウクライナ紛争勃発後、西側諸国はロシアに対して、1万件以上の経済制裁を課してきた。ロシア・ウクライナ紛争や西側諸国の制裁、ロシアの対抗措置は、グローバル化や世界の貿易、エネルギー構造などにどんな影響を与えているのだろうか?中国新聞網が伝えた。

東方証券チーフエコノミストの邵宇(シャオ・ユー)氏は、「西側諸国がロシアに対して外貨準備凍結という制裁を課して以降、ロシアはエネルギーを輸出して対応してきた。ロシアはロシア産の石油やガスといったエネルギーの代金をロシアの通貨ルーブルでしか受け取らず、他の通貨は受け取らないという措置を取っているため、その需要が高まり、ルーブル高が続いている」と分析する。

そして、「少なくとも今の段階では、ルーブル高はロシアが欧米諸国に対抗する有効手段となっており、特に米国の金融制裁に対して一定の効果を見せている。つまり、ロシアは必要不可欠な石油のニーズを活用して、自国通貨の主権を守っているのだ。ロシアの世界のサプライチェーンにおける重要な役割を見ると、現在のところ、恐らくそれに取って代わる国はないだろうということがわかる」との見方を示す。

世界を見ると、ルーブル建てで計算しても、ドル建てで計算しても、エネルギーの価格は現在、高止まりしている。サプライチェーンは現在、非常に混乱しており、そのような状態は今後しばらくの間続くとみられている。地政学的紛争による石油価格の高止まりにより、世界は大きな「スタグフレーションの落とし穴」にはまってしまい、世界のエネルギーのモデル転換に大打撃をもたらす可能性がある。

邵氏は、「エネルギーのモデル転換というのは、従来のエネルギーの価格を高い状態にとどめておけば、新エネルギーに自然に移行するというのがロジックの一つとなっている。このようなモデル転換は、化石エネルギーや従来のエネルギーの需要を含めた世界の構造に、中・長期的な変化、ひいては革命的な変化をもたらす可能性がある」と分析している。

地政学的紛争にしても、一部の国の間の競争にしても、すでにグローバル化構造の断裂をもたらしている。世界の地政学的競争は今後、さらに激しくなり、異なる国による同盟が競争集団を形成する過程は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の低迷状態にやや似ている。

邵氏は、「このような状態が10年、さらにはもっと長く続くかもしれない。そのため、資源型国家へのモデル転換や生産型国家の能力増強にしても、消費型国家の通貨乱発抑制にしても、新たな提携分野を見つけ、新たなバランスポイントに達する必要がある。しかし、そのようなバランスの達成は難しい」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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