ドラマは視聴者に迎合すべきなのか?―香港メディア

anomado    2022年7月10日(日) 9時10分

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香港紙・文匯報は8日、「ドラマは視聴者に迎合しないと市場を獲得するのが難しいのか?」とする記事を掲載した。

香港紙・文匯報は8日、「ドラマは視聴者に迎合しないと市場を獲得するのが難しいのか?」とする記事を掲載した。

中国ドラマ夢華録」と「破事精英」が最終回を迎えた。記事は、「現在話題の2本の人気ドラマは、2つの正反対の口コミ曲線をたどっている」と述べた。「夢華録」については「走り出しは好調だったが右肩下がりとなった」とし、「破事精英」については「辛うじて逆転した。最終回になってやっと、コメディー創作上の突破と革新が見られた」と指摘した。2作のドラマの視聴者からの人気獲得の方法について、「両者のやり方は全く異なっていて、非常に興味深い」とし、「視聴者の好みに合わせなければ、ドラマは市場に出にくいのだろうか?」と提起した。

記事は「破事精英」を例に分析。「テレビドラマやネットドラマ市場では、『女性視聴者を得た者が天下を取る』という名言がある」とした上で、「そんな要素は『破事精英』にはない」と指摘した。

同作は、会社の中で軽視されている部署「迫事部」を舞台にしたコメディー。会社のはみ出し者たちが集まった「迫事部」は、特に差し迫った事務の対応と処理をする部署である。他の部署がしたくない仕事をするため、「破事部」とやゆされる。物語は、ここで仕事をする7人の笑える日々を描いている。

記事は、「ここ数年で、コメディー映画、コメディーバラエティー、トークショー、コメディーコントはいずれも画期的な発展を遂げた。しかし、コメディードラマだけは創作のボトルネックに直面している。『破事精英』はシチュエーション・コメディーの復活と見られ、人々に久しぶりの『録音笑い』を聴かせた。しかし、コメディーの本分をしっかりと備えながらも、少しばかげた現実主義的な手法で、職場の人々の境遇を余すところなく見せているのがさらに珍しい」と指摘。劇中で主人公たちが遭遇する現実ではあり得ないような仕事のドタバタについて、「ネットユーザーが言うように、私たちは主人公と同僚たちのぶつかり合いを見ているというよりは、むしろ私たち自身を(物語の中に)見ている。主人公が遭遇したあの苦境は私たちの多くが遭遇したことがあるからだ。私たちも劇中の人物のように、泣いたり笑ったりした後も、相変わらず仕事と生活を熱烈に抱擁するのだ」と述べた。

また、「型にはまらないのが、『破事精英』のもう一つの見え方だ」とし、劇中には歌やダンスの要素が入っている点や、視聴者が自身の分岐選択によって結末が変わる点などを挙げた。

記事は、「膨大なドラマ制作の中で、『破事精英』がちょっと違う道を選んだのは明らかだ」とした。その要素として、「話題が男性に偏っており、現在盛んな『乙女ドラマ』とは逆向きになっている」「基本的に感情に訴える方向性を避けた」「劇中で扱われる多くの話題は、ある程度の社会的経験がなければ十分に理解できない」などの点を挙げ、「これは、実際に一部の視聴者を自主的に手放したことを意味する」と指摘した。

「自分から視聴者の好みに合わせようとしないこと」について記事は、「そのような試みに肯定的な人の方が多いのではないだろうか」とし、同作の韋正(ウェイ・ジョン)監督の言葉を引用した。韋氏は、「創作者は人為的に特定のジャンルや形式を決めてはならない。それは自分をおりの中に閉じ込めることになり、革新にとってマイナスになる」と述べた。記事は最後に、「コメディーは人を楽しませることも大切だが、希望や温かさ、力を与えなければならない」と論じた。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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