ヒットする中国時代劇ドラマ、なぜどれも香港人監督の作品なのか―中国メディア

anomado    2022年7月9日(土) 10時0分

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中国メディアの新京報は7日、「ヒットする中国時代劇ドラマはなぜどれも香港人監督の作品なのか?」とする論評記事を掲載した。

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中国メディアの新京報は7日、「ヒットする中国時代劇ドラマはなぜどれも香港人監督の作品なのか?」とする論評記事を掲載した。

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記事は、「2000年以降、時代劇は爆発的に人気を博し、武侠ファンタジー、仙侠など多元化したジャンルが多くの若い視聴者を魅了している」とし、ここ20年で大ヒットした時代劇として、「仙剣奇侠伝」「花千骨」「楚喬伝」「三生三世十里桃花」を挙げ、これらの作品について「ほとんどが香港の監督が制作したものであることがわかる」と述べた。その上で、「香港の監督は香港時代劇の制作経験を受け継ぎ、自由奔放な想像、リアルかつ写実的な芝居、繊細で感動的な情感で、大陸の時代劇の新時代を切り開いた。なぜ香港の監督が時代劇ドラマのヒットを保証するようになったのか?撮影において彼らはどのように優れているのか?」と問いかけ、香港の監督6人を取材した。

■香港の監督が時代劇市場を切り開いた

2005年、香港の李国立(リー・グオリー)監督がプロデューサーを務め、呉錦源(ウー・ジンユエン)監督、梁勝権(リャン・ションチュエン)監督、麦貫之(マイ・グワンジー)監督らが演出を担当した時代劇仙侠ドラマ「仙剣奇侠伝」について、記事は「中国大陸部でセンセーションを巻き起こし、その時代の若者たちの青春の記憶となった」と評した。2009年、同じく李監督がプロデュースし、梁監督、林玉芬(リン・ユーフェン)監督、黄俊文(ホワン・ジュンウェン)監督が演出した「仙剣奇侠伝3」が放映された。中国の映画・ドラマの情報サイト豆瓣(douban)で同作は30万人近くから評価を寄せられた。記事は「香港の監督が率いる『仙剣』シリーズの成功は、中国大陸部の時代劇ファンタジー、仙侠ドラマの本格的な幕開けとなった」と述べた。

また、「データの統計からも、中国大陸部の時代劇題材における香港監督の重要性が裏付けられている」とし、「豆瓣で評価点が高かったり、口コミの数が多かったりする時代劇作品は、圧倒的に香港の監督が生み出したものが多い」と指摘した。

李氏は唐人影視の制作ディレクターとして、「仙剣奇侠伝」シリーズ、「歩歩驚心」、「怪侠一枝梅」など多くの歴史的ヒットした時代劇を生み出した。林氏は「花千骨」、「三生三世十里桃花」、「宸汐縁」を世に送り出し、時代劇ファンタジー市場における“エース女性監督”としての地位を築いた。朱鋭斌(ジュー・ルイビン)監督は「香蜜沈沈燼如霜」「長歌行」で多くの若者から支持を得た。梁国冠(リャン・グオグワン)監督と馬華幹(マー・ホアガン)監督の「蘭陵王」「択天記」はアイドル時代劇のブームを巻き起こした。このコンビは「霊域」「蜀山戦紀」「新白髪魔女伝」などのヒット作を生み出している。金庸(ジン・ヤン)氏の著作「射彫英雄伝」「倚天屠龍記」は、蒋家駿(ジアン・ジアジュン)監督が映像化を手がけた。いずれも香港の監督、作家である。

■大陸と香港の文化の違いに対応、裏方も精鋭ぞろい

記事は、「なぜ香港の監督が中国の時代劇(の成功)を成し遂げられたのか。『強みを発揮した』ことが最大の理由だ」と述べ、香港の監督の大陸への進出についてのインタビューを紹介した。

1999年、梁国冠氏は業界関係者の推薦で、香港から市場がより大きい大陸部に進出した。それまで、香港の視聴者が中国大陸部の映画・テレビドラマを見るすべはほとんどなかったという。梁氏は、「この(大陸進出の)アイデアが出て、いくつかの(大陸部の作品を)見ました。制作理念全体、題材から演技モデルまで、香港とはかなり違いがありました」と語った。

香港ドラマは工場式の生産方式を採用しており、テンポが速く、商業化の程度が高い。CGとロケ撮影を交互に繰り返し、数カ月で一本が完成する。一方、当時の大陸部では撮影速度が比較的遅く、商業的要素が少ない。ストーリーはより写実性を重視し、ロケ撮影が比較的多かったという。

梁氏が大陸進出後、最初に選んだドラマは時代劇コメディー「済公伝奇」だった。その理由について梁氏は「私は標準語が苦手で、リスニングにさえ問題があり、内地で生活したことがなかったからです。大陸では北方と南方でセリフのスタイルが違うのに、どうやって私が内地の現代劇を撮るのでしょうか?」と話す。梁氏によると、時代劇には比較的厳格な参考基準がなく、しかも香港と大陸部は伝統文化の上で同じ流れをくむものであるため、時代劇は香港の監督の文化的差異の短所をうまく避けることができるという。「内地に来ても、やはり私の得意なものを撮りました。市場がこれだけ大きいのだから、私には一定の競争力があるはず」と梁氏は考えたという。

一方、朱氏が大陸部を訪れ、最初に触れたのは民国期ものや辛亥革命前後を舞台とする作品だったという。10年近く経った後、次第に時代劇を中心とした作品に転じ、「青雲志」「香蜜沈沈燼如霜」「長歌行」「与君初相識」などの作品を監督した。しかし、大陸部に来てから20年余りがたつものの、朱氏は未だ歴史などの題材を撮ることができないという。朱氏は、「まだ使いこなせないと思っているので。今はまだあんなに深い文化を理解できていません。劇中のセリフには古詩や古文が入ってくるので、まだよく理解できていないうちは取り組まないのです。むしろ時代劇の中でもファンタジーやアイドル、青春ものは、歴史的背景もありますが、歴史ではなく感情を語ることが多いので、私はもっと自由な発想で融合することができるのです」と語った。

記事は、「時代劇の制作者が香港の監督を重用するのは、個人の能力だけでなく、香港のチームと協力しやすいことも同様に考慮されている」と述べた。記事によると、今では多くの大陸時代劇に“香港ドラマを基にした”作業チームが起用されており、特に武術指導、撮影、照明などが行われている。

■「武侠」撮影に考え方を持っており、動きと情緒表現を両立している

記事は、「香港の監督が大陸市場に不慣れだと感じたように、大陸でも香港の監督の経歴についてはほとんど知られていなかった」とし、当時についてインタビューした。

梁国冠氏は香港でさまざまなジャンルの作品の撮影に参加してきたが、大陸部での彼の当初の位置づけは「香港の監督」に限られていた。時代武侠劇「蕭十一郎」のBグループ監督を任せられた際、梁氏はアクションを伴うシーンを大量に撮影する必要があっただけでなく、「武術監督」の兼任を求められたという。

記事は、「1980年代から、“時代武侠劇”は中国大陸部の観客の心の中で香港ドラマの代名詞となってきた」とし、大陸初の香港ドラマ「霍元甲」や「天龍八部」、「神彫侠侶」、「倚天屠龍記」などの作品を紹介した。

蒋氏によると、豊富かつ系統的な時代劇の経験が、香港の監督に同題材に対する強い信念を持たせているという。蒋氏は「監督が強い信念を持って、この(時代劇ドラマの)世界の存在を信じてこそ、あなた(観る人)の想像力によってそれを実現することができます。香港の監督は参入してすぐにこの方面(時代劇)を撮り始めたので、比較的慣れています」と話した。

記事は、「時代劇の中で最も想像力が必要なアクションシーンを例に挙げると、香港の監督には独自の撮影方法がある」とした。蒋氏は、「サーカス団の動きを含め、動物の動きを参考にしながら、劇中の飛行などの場面を研究します」「『射彫英雄伝』を撮影する際、武術の設計に“特殊効果を使わず、実際に撮影する”ことを原則とし、動作の真実を表現することに努めました」と語った。

馬氏は、「武侠劇のアクションシーンでは、相手が一発殴ってきても、主役はただ防ぐのではなく、防いだ後も美しい姿で相手を振り切らなければなりません。例えば箸が1、2本飛んできたら、箸の筒に突っ込むことができるなど……」と述べた。記事は、「時代劇のアクションは美しいだけでなく、アイデアも必要だ。動作の後には境地があり、武侠の精神を表している。これは香港の監督が時代劇武侠の意味を理解する上で持っている強みでもある」と評した。

■自由な発想と伝統の巧みな組み合わせ

ドラマ「長歌行」には王女と大臣の結婚シーンがある。朱氏は「この2人の結婚式はどのように行われるべきなのか」と悩んだという。そして、礼儀や歴史などの顧問先生に古代の婚礼文化について教えを請うた。

朱氏は「香港の監督の強みは天馬空をいくような想像力と思考です。シーンの言語、画面の表現でより多元化し、時代劇にクリエイティブな効果をもたらすことができるのです」と語った。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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