中国の厳しいコロナ対策、ベトナムにとっては好都合―独メディア

Record China    2022年6月2日(木) 6時0分

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29日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国国内の厳しいコロナ政策がベトナム経済の発展にとって福音となっているとする記事を掲載した。写真はハノイのノイバイ国際空港。

2022年5月29日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国国内の厳しいコロナ政策がベトナム経済の発展にとって福音となっているとする記事を掲載した。

記事は、ベトナムが世界で数少ない20年の新型コロナ大流行時に経済成長を実現した国の一つであると紹介。21年夏には感染者が増加して多国籍企業の工場が数週間の操業停止を余儀なくされたものの、政府が果敢に方針を転換してそれまで消極的だったワクチン接種を積極的に推進、比較的早い段階で感染拡大を抑え込むという適応力の高さを見せるとともに、同年末から段階的に緩和され始めたコロナ関連の規制も現在はほぼなくなっており、今年は6.5%、来年も6.7%の高い経済成長を実現する見込みであると紹介した。

そして、中国が厳しいゼロコロナ政策を取り続ける中で方針を転換したベトナムは現在、電子業界の外国企業による多額の投資という恩恵を受けていることを示す事象がはっきりと見て取れるとし、今年2月には韓国サムスン電子がベトナムで9億2000万米ドル(約1170億円)の追加投資を行うことを発表したほか、生産ラインを中国からベトナムに移転する動きが続いていると伝えた。

一方で、ベトナム経済は発展のチャンスと同時に試練も抱えていると指摘。原材料や1次加工品を国外からの供給に依存しており、新型コロナの影響で供給不足が発生していること、米国と中国による地政学的な緊張による影響を挙げるとともに、試練を解決する上でのカギとして「サプライチェーンの柔軟性」を提起し、ベトナム国内でいまだ関心が低いサプライチェーンのデジタルネットワーク化に取り組むべきだとしている。

また、柔軟性が必要なのはサプライチェーンにとどまらず、経済全体であるとも指摘。各経済階層における専門性を高めるために、教育やトレーニングの体制を構築、改善していく必要があると論じた。

記事は、ベトナム経済について専門家が、ドイツや欧州にとって非常に密接な「同志」ではないものの、中国やトランプ政権下の米国とは異なり開放経済を堅持しているため、労働集約型製造拠点として「事実上不可欠な存在」になっていると分析するとともに、商品の生産価値を高める方向へ進み始めたタイや、グローバル経済化へと舵を切り始めたインドネシアなど東南アジアの有力なライバル国とはポジションが明らかに異なるため、これらの国がベトナム経済の発展にとってすぐさま脅威になることはないとの見方を示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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