Record China 2022年5月9日(月) 7時40分
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中国は王岐山国家副主席を習近平国家主席の特使として、韓国の尹錫悦氏の大統領就任式に派遣する。写真は王岐山氏。2012年に韓国の麗水(ヨス)国際博覧会に出席した際に撮影(当時は副首相)
中国外交部は6日、10日に行われる韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の就任式に、王岐山国家副主席が習近平国家主席の特別代表(特使)として出席すると発表した。国家主席の特使としては、かつてないほど地位が高い人物の派遣であり、さらに韓国大統領就任式の出席の発表で「団を率いる」と説明されたことも異例だった。
中国では公務員や共産党幹部についての厳格な「序列」が定められている。最上位は「国家級正職」と呼ばれ、中国共産党中央政治局総書記を筆頭とする同局常務委員会などだ。王国家副主席は2017年に中央政治局常務委員を退いているが今は現職の国家副主席であり、「国家級正職」の扱いを受けている。
「国家級正職」の一つ下は「国家級副職」で、さらに一つ下は、「省部級正職」だ。これまで韓国大統領就任式やその他の重要なイベントに派遣される国家主席の特使には「省部級正職」の人物が選ばれてきた。王岐山氏は通常の国家主席特使よりも「2階級上」ということになる。
また、中国外交部が王氏の派遣について「代表団を率いて韓国を訪れる」と表明したことも注目された。中国は03年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の就任式に当時の銭其シン(「シン」は「深」のさんずいを王へんに替える)副首相を中国政府特使として派遣したことを皮切りに、現在までに韓国大統領の就任式に計3回、政府特使または国家主席特使を派遣している。
しかし中国青年報によると、これまで韓国大統領の就任式への特使派遣が発表された際に、「代表団を率いて」との文言があった事例はなかった。
中国青年報は、中韓のこのところのハイレベル交流は、「異例なこと」が多かったことに注目した。例えば尹錫悦氏が大統領選に勝利した翌日の3月11日に中国のケイ海明駐韓国大使(「ケイ」は「形」の「彡」を「刂」に替える)が尹氏と面会し、習近平主席の祝電を手渡すなどしたことだ。ケイ大使は尹氏が大統領に当選してから初めて尹氏と面会した外国の大使になった。また、習国家主席と尹氏は同月25日に電話会談を行った。中国の国家主席が韓国の次期大統領と電話会談をしたのは初めてだった。
また5月3日には、中国政府の劉暁明朝鮮半島作業特別代表が韓国に赴いて、韓国外交部の魯圭徳(ノ・ギュドク)半島平和交渉本部長と会談した。劉代表は、中国が半島情勢の安定を望んでいることを強調し「どちらの側であれ、情勢を激化させる恐れのある行動をとることに賛成しない」と説明した上で、「中国と韓国は半島問題で立場が近く、共通の利益は広範囲だ」とも述べた。
中国青年報は、今年(22年)が中韓両国の国交樹立30周年にあたり、「中韓文化交流年」にも指定されていることにも注目し、「政治的相互信頼の面では、中韓両国は最上層を含む各レベルの交流往来を続けており、政府、議会、政党間の交流は活発だ。このような発展傾向は韓国での政権を担当する政党の交代による影響を受けていない」と論じた。
中国青年報は中韓関係について、「そもそもゼロサムゲームをしてきたのではなかった」ことや「互いに助け合い苦楽を共にする隣人同士だった。さらには、雨風の中で(厳しい状況にあっても)手を携えて前進する運命共同体のメンバーであり続けてきたこと」を、歴史や事実が教えてくれると論じた。(翻訳・編集/如月隼人)
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