Record China 2022年4月8日(金) 7時20分
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6日、米華字メディア・多維新聞は、ウクライナのブチャで多数の市民の遺体が発見された問題について、ロシアとウクライナの戦争に大きな転換点をもたらすとする中国のシンクタンクANBOUNDの文章を掲載した。
2022年4月6日、米華字メディア・多維新聞は、ウクライナのブチャで多数の市民の遺体が発見された問題について、ロシアとウクライナの戦争に大きな転換点をもたらすとする中国のシンクタンクANBOUND(安邦智庫)の文章を掲載した。以下はその概要。
近ごろ明るみに出た「ブチャ虐殺事件」が、世界の新たな注目トピックとなっているが、ロシアとウクライナによる戦争の状況を変える大きなターニングポイントになる可能性が高い。ロシアに対する圧力が一層強まるだけでなく、世界に重大なリスク、大きな災いさえももたらす可能性がある。
まず、戦争のこう着状態を変化させる要素が生じた。ウクライナのゼレンスキー大統領は毎日のように世界に向けて発信しているが、その際に使える「ネタ」が枯渇し始めた。そこに「ブチャ虐殺事件」が出現したことは、ウクライナに「好材料」を与える結果となったのだ。ゼレンスキー大統領は「ロシアはウクライナの敵、ひいては世界の敵であり、ロシア軍は大虐殺を引き起こした野蛮な部隊だ」という認識を世界に改めて植え付けることができ、これまで対ロ制裁に慎重だったフランス、ドイツ、イスラエルなどの国も、ウクライナが必要とする一切の物を提供せざるを得なくなるだろう。
次に、「ブチャ虐殺事件」は西側による対ウクライナ支援強化を拒否しづらくする新たな理由にもなる。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長が5日、メンバー国の外相が6〜7日にウクライナ支援問題について協議することを発表したほか、米国政府も長距離防空システムなどの武器提供の意向を示している。
さらに、今回の件によりウクライナの態度がさらに強硬化し、ロシアとの協議でより高い要求を出す可能性がある。ゼレンスキー大統領は1日「ウクライナ人は勝利以外の結果を受け入れない」と語るとともに、和平合意締結の条件について「領土の取引はしない。領土の完全性、主権問題は議論の範囲にない」としており、以前に比べて明らかに自信が増している。
また、注目すべきはNATO加入への発言が変化し始めていることだ。ゼレンスキー大統領は5日に「NATO加盟の準備はできている。NATO側から提案があれば、加盟する用意がある。これはジョークではない」と述べた。
「ブチャ虐殺事件」は間違いなくウクライナおよび世界におけるロシアに対するヘイトを引き起こし、西側によるウクライナへの軍事支援を強化させ、戦争を継続させることになる。今後、この戦争自体、戦争外の国際情勢いずれにおいてもロシアはますます不利になる。苦境に立たされたロシアが何をするか、現時点では判断することはできない。しかし、この戦争が持続、悪化すれば、世界に巨大なリスクが持たされることは間違いないと言える。(翻訳・編集/川尻)
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