クアッドに名連ねる日印、「蜜月関係維持も固有の食い違い隠せず」と中国メディア

Record China    2022年3月27日(日) 7時0分

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米豪と共に「クアッド」に名を連ねる日本とインドの関係について、中国メディアは「固有の食い違いを隠せず」と報じた。写真出典:内閣府 https://www.kantei.go.jp/

米国オーストラリアと共に「クアッド(4カ国戦略対話)」に名を連ねる日本とインドの関係について、中国メディアは「蜜月関係」を維持しているものの、「固有の食い違いを隠せず」と報じた。その理由としては「インド太平洋戦略における利益の関心事が必ずしも一致するとは限らない」を挙げた。

岸田文雄首相は19日にインドの首都ニューデリーでモディ首相と会談した。今年は両国の国交樹立70周年で、日本の首相によるインド訪問は4年半ぶりだった。

日印の関係に関して中国網は共産党機関紙・人民日報系の環球時報の記事を紹介。「言うまでもなく、日印の歩み寄りの裏には『中国対抗』という地政学的な考えと経済競争の計算がある。日印各自の国内政治環境は中国のインド太平洋における実力の拡大を共にけん制し、中国と『インド太平洋の秩序』の主導権を争奪しようとする政治家がいる」とし、「双方は共同声明の中で威圧のない、自由で開かれたインド太平洋地域を実現するという共通の願いを再確認したと称した」と伝えた。

同時に「日印のインド太平洋戦略における利益の関心事が必ずしも一致するとは限らないことに注意すべきだ」と指摘。「まず日印のインド太平洋における戦略的目標が異なる。日本はインド太平洋戦略を中国けん制の手掛かりとしており、その着眼点は中国と東アジアの海洋秩序の主導権を争奪することにある。インドを持ち上げるのは主に中国対抗の資本を増やすためだ」と続けた。

一方で「インドの中心的な関心事は南ジア地域およびインド洋にある」と説明。「米日主導のインド太平洋戦略に加わるのは機会主義的な考えによるもので、米日の影響力を利用し、その南アジアの覇者としての地位を固めると同時に、大国関係を利用し自身の大国としての影響力をアピールできる」とした。

さらに「日印は米国のインド太平洋戦略に対しても温度差がある」と言及。「米国に極力迎合し戦略面で強く結ばれている日本と異なり、インドは終始米国の誘いかけに対して警戒心を保ち、米日がインドを持ち上げようとする政治的な意図も熟知している。ロシアウクライナの衝突に対する態度を見ると、インドが軽率に西側の懐に飛び込むことはない。『独立自主』の外交戦略の方針を堅持すれば、インドが米日の中国けん制の指揮棒に完全に従い踊ることはない」との見方を示した。

その上で記事は「日印は双方の関係を『特別戦略的グローバル・パートナーシップ』としており、アジアの大国としてアジアの繁栄・安定の重責を担っている」と強調。「日印関係の発展は『共に中国に対処』によって団結力と駆動力を得るのではなく、共にアジアを振興しようとするより強い大国としての自覚が必要だ」などと論評した。(編集/日向)

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