Record China 2022年3月16日(水) 22時30分
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15日、環球時報は中国が「ゼロコロナ」政策にこだわる理由について、複数の専門家を取材した記事を公開した。写真は深セン。
2022年3月15日、中国メディアの環球時報は、中国が「ゼロコロナ」政策にこだわる理由について、複数の専門家を取材した記事を公開した。
記事はまず、「わずかな感染拡大も許さない『ゼロコロナ』政策を徹底する中国で、感染者が目立ち始めた」現状を紹介した。国家衛生健康委員会の報告によると、13日午前0時から14日午前0時にかけて、中国31省(自治区、直轄市)と新疆生産建設兵団で新型コロナウイルス感染者が新たに1437人確認され、そのうち国内症例は1337人で、深セン、上海、青島、天津の4カ所では新規患者が40人を超え、吉林省では895人に上ったという。
記事は続いて、中国国家感染症医学センター主任で、復旦大学付属華山病院感染科主任の張文宏(ジャン・ウェンホン)氏、深セン市第三人民病院の盧洪洲(ルー・ホンジョウ)院長、米イェール大学公衆衛生大学院の陳希(チェン・シー)准教授ら3人の専門家からの回答を紹介した。
一人目の張氏は「3月1日に119人だった陽性者数が、12日には3122人に増えた。この間、11日しかかかっていない」と危機感を示した上で、「香港大学との情報交換の中でウイルスの毒性が著しく低下しているとの認識で一致した」「一部の国では大規模なワクチン接種後にコロナの死亡率や重症化率は、インフルエンザよりも低くなっている」としながらも、「中国がもし急速に(厳しい対策をやめて)開放すれば、短期間に大勢の感染を引き起こす。死亡率がどれだけ低くても、医療資源への信用不安や、社会生活にショックを与えてしまう」との見解を示した一方で、「ロックダウン(都市封鎖)と全住民のPCR検査という戦略を今後も継続して採用することを意味するのではない」と補足し、今後は高齢者の3回目のワクチン接種、経口薬や検査試薬の普及、医療体制の整備、在宅隔離の流れの確立などを強化し、「感染スピードの極めて速いオミクロン株の第五波を完全にコントロールできる水準まで制圧することが重要だ」と論じた。
二人目の盧氏は「英国など西側諸国の研究でオミクロン株の毒性は弱く、死亡者数も減っている。だから経済活動や社会生活を開放するべきだと主張する人がいるが、中国は今の段階で絶対に全面開放すべきではない」と述べ、「英国でのオミクロン株の死亡率がインフルエンザと同じレベルに低下したのは、それ以前に流行した新型コロナウイルスで高齢者や基礎疾患を持つ人たちが亡くなり、幸運にも感染後に回復して生き残った人たちや、ワクチンを接種した人たちが抗体を持つようになったからだ」と指摘し、「完全な特効薬やワクチンがない状況では、物流や交通に携わるエッセンシャルワーカーを保護するため、定期的なPCR検査や抗原検査を組み合わせ、大規模な人流や物流に対する予防対策を継続する必要がある」と論じた。
三人目の陳氏は、「感染リスクの高い人々が免疫を獲得できるよう、ワクチン接種を拡大し接種率を高めるべきだ」とする一方で、「同時に医療系統を整備し、医療資源が弱い地域に移動式キャビン病院を設けて、緊急性や重症度に応じたレベル別の診療能力とコミュニティ内の医療の基礎能力を底上げすること」「民衆の衛生教育を強化しパニックに陥らないようにすること」「ワクチン接種による免疫強化で重症化率や死亡率が大きく変わるなどの耳寄りな情報を社会に発信すること」が重要だと論じた。
記事は最後に、匿名を条件に取材に応じた専門家から「今回感染者が増加した複数の地点では、それぞれ原因が違う」「陽性者や発症者、濃厚接触者を発見しても、隔離などの処置が間に合っていない問題がある」「オミクロン株の特徴であるステルス性や潜伏期間の短さで、無症状感染者の割合が高く、感染源の特定が極めて困難になっている」「人から人への感染のほかに、物から人への感染もあって、予防対策の難度が上がっている」との回答があったことを紹介した。(翻訳・編集/原邦之)
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