2022年3月2日、観察者網は、ロシアによるウクライナ侵攻により世界のスポーツ競技組織が相次いでロシアの排除を発表する中、ロシアの元フィギュアスケート五輪王者・プルシェンコ氏が声を上げたことを報じた。

記事は国際オリンピック委員会（IOC）が2月28日、ロシアとベラルーシの選手および役員を国際大会から排除するよう各国際競技連盟や大会組織者に勧告し、国際サッカー連盟（FIFA）と国際スケート連盟（ISU）も1日にそれぞれ両国の選手、クラブの国際大会出場を禁止する措置を発表したほか、バレーボールや自転車、陸上などの各競技連盟もロシア代表の参加を禁止したと伝えた。

その上で、プルシェンコ氏が2日にSNS上で「アスリートとして、理性ある人間として、私はスポーツと政治は無関係だと固く信じている。出場禁止は大きな誤りだ。スポーツと政治を一緒に論じてはならず、アスリートを罰して彼らのパフォーマンスや競争の権利を奪ってはならない。ロシアをスポーツ界から孤立させようとしているが、それは五輪の精神が今や効力を失っていることを意味する。平和を望まない者などいない。すべてが速やかに収束し、（停戦）交渉で結果が出ることを切に望んでいる。私はアスリートであって政治家ではない。私の目標はスポーツへの情熱により人びとを団結させ、政治的な対立を克服することだ。われわれにはそれができると信じている」と主張したことを紹介した。

現役時代は華麗な演技により「皇帝」と称され、世界的な人気を集めるとともに多くのフィギュアスケーターの憧れとされてきたプルシェンコ氏の「意思表明」に対し、中国のネットユーザーは「国と国の間に政治に関わらないものなどなにもないことを事実が証明した。そしてそれ以上に、西側諸国がうそばかりついてきたことが証明された」「70〜80年代生まれは、西側が物事をどのようにして美化し神話化したか見てきた。90〜2000年代生まれは、西側の神話がどのようにして崩壊していくかを見ている」「オリンピックには古代ギリシャの時代から戦争と軍事がつきまとってきた」「IOCや各競技機構は結局のところ欧米の傀儡（かいらい）であることは全世界の人民が知っている」「政治の言葉というのは、強調されればされるほど現実とは真逆になる。なぜなら、実現不可能だからこそ語気が強まるからだ」といったコメントを残している。（翻訳・編集/川尻）