米国で日本の「敵基地攻撃能力」保有容認する雰囲気が台頭、警戒感強める韓国紙

Record Korea    2021年12月25日(土) 19時20分

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米国で日本の「敵基地攻撃能力」保有を容認する雰囲気が台頭。韓国紙は「米国の同意を背に長距離ミサイル保有を強行できる」と指摘し、日米の動きに警戒感を強めている。

米国で日本の「敵基地攻撃能力」保有を容認する雰囲気が台頭している、と韓国紙が報じた。記事は「日本国内の反対世論だけでなく韓国など周辺国の反対にも米国の同意を背に長距離ミサイル保有を強行できる」と指摘。日米の動きに警戒感を強めている。

中央日報は米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)が20日に伝えた日本の敵基地攻撃能力に関する米国の複数の専門家の発言を紹介。敵基地攻撃能力については「主に対北朝鮮抑止力強化次元で日本の長距離ミサイル打撃能力が必要だという主張だ。日本の自民党が敵基地攻撃能力保有などを盛り込んだ『国家安全保障戦略』改定案を来年5月までに出そうとスピードを出す中で出てきた発言で注目される」と言及した。

RFAによると、在韓米軍司令官を務めたブルックス在韓米軍戦友会長も日本の動きを肯定的に評価。「(日本の敵基地攻撃能力保有は)日本が北朝鮮や中国など敵の攻撃の可能性を深刻に懸念していることを明確に見せるもの」と述べた。

ランド研究所のブルース・ベネット上級研究員は「日本の敵基地攻撃能力保有は北朝鮮に対する抑止力をより強化するだろう」と説明。続けて「こうした能力は北朝鮮のミサイル基地だけでなく北朝鮮政権指導部がいる所を目標にすることもできる」と付け加えた。

ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン上級研究員は「日本がさらされた北朝鮮など実際の脅威を見ると、日本当局がこの能力を保有することに反対するのは難しい」と断言。その上で憲法に基づいて日本が守ってきた専守防衛の原則に外れるという日本国内の反対論に対しては「そうした反発もあるが、日本が75年以上防衛的で平和指向的な外交政策を広げてきたためにこうした攻撃能力保有が可能だと見る」とした。

軍事専門家であるカーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ上級研究員は「日本は米国から重要な情報と偵察の支援を受けているが、目標を打撃する能力がなく、キルチェーン(敵性国のミサイルを発射前に除去する)システムをまともに運用できていない。日本が敵基地攻撃能力を保有することになればキルチェーンを完成することになる」との見方を示した。

一方、米国務省と国防総省は日本の敵基地攻撃能力保有と関連したRFAの質問に「日本政府に問い合わせるべき」として公式な立場を明らかにしていない。ただ、米国務省報道官は回答で「日米同盟はいつになく強力。60年以上、インド太平洋地域と全世界で平和・安全保障・繁栄に向けた礎石だった」と強調した。(編集/日向)

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