Record China 2021年12月17日(金) 10時20分
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アラブ首長国連邦は米国と進めてきたF-35戦闘機(写真)など兵器類約2兆6200億円分相当を購入するための交渉を打ち切った。米国からの、さまざまな「中国遮断」の要求に反発したとの見方が出ている。
中国メディアの観察者によると、アラブ首長国連邦は米国と進めてきたF-35戦闘機(写真)など兵器類約2兆6200億円分相当を購入するための交渉を打ち切った。米国からの、さまざまな「中国遮断」の要求に反発したとの見方が出ている。
UAEは13日月曜日に始まる週の遅い時期に、米国防総省と兵器購入などについての交渉を行う予定だったが、同国の在米国大使館は14日、米国側との交渉は当面中止すると発表した。ただし、交渉を再開する可能性はあるとした。
米国政府は2019年5月、F-35戦闘機50機やMQ-9 リーパー無人攻撃機18機など兵器類230億ドルの売却でUAEと合意したと発表した。同合意はトランプ政権にとってUAEとの最後の「取り引き」成立だった。しかしバイデン大統領は2021年1月に就任すると、UAEへの兵器売却を再評価するよう指示した。
米国メディアの報道によると、バイデン政権はUAEが軍事面や技術面で中国と協力を拡大することを懸念して、兵器売却の条件として「中国にはF-35関連技術と接触させない」、「UAEに中国の基地を作らせない」ことを追加し、さらに「盗聴の懸念」や「国家安全保障上の脅威」を理由に、UAEに対してファーウェイ製設備の使用放棄やその他の措置でも中国と距離を置くように圧力をかけた。
UAEは米国側が主張する「国家の安全上のリスク」といった理由に疑問を持っている。そしてそれ以前から、米側の方針に同調してこなかった。2019年2月にはファーウェイに5Gネットワークの建設をまかせることを決め、2021年5月には同国のエミレーツ航空がファーウェイと戦略的協力で合意した。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、アラブ世界における米国の重要な同盟国であるUAEですら、米国の圧力に落胆していると論評。UAEにとって中国は最大級の貿易相手であり、米中の間でバランスを取りたいと望んでいると分析した。
UAEは一方で、12月3日にはフランスと武器供給契約を結んだ。同契約によれば、フランスはUAEに戦闘機「ラファール」80機と軍用ヘリ12機などを売却する。契約額は170億ユーロ(約2兆1800億円)を超えるという。
米国による「中国締め出し圧力」は、さまざまな同盟国に影響を及ぼしている。東洋経済(電子版)は2021年6月27日付で、中国が2020年に施行した輸出管理法は米国への対抗措置と指摘し、日本企業は同法によって中国がレアアースの輸出制限を行うことを危惧していると指摘する記事を掲載した。
安全保障貿易情報センターや経団連、日本商工会議所など経済関連10団体は2020年11月10日付で、米国による自国の法令の域外適用を批判し、中国側が自国の輸出管理法などで外国企業への規制を強化することへの懸念を表明しする文書を経済産業省に提出した。同文書は、米国による過剰な域外適用を抑止するために、日本政府が米国と協議することを要請した。(翻訳・編集/如月隼人)
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