2014年5月24日、新華社によると、河北省石家荘市にこのほど、エジプトの文化遺産である大スフィンクスにそっくりな実物大の像が建設されたが、像の建設はエジプトの許可を受けておらず、エジプト政府が国連教育科学文化機関（ユネスコ）に苦情を訴え出る事態となっている。

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本物そっくりのスフィンクス像は市郊外の農村に映画のオープンセットとして建設され、全長約60メートル、高さ約20メートルと本物と同じほぼ1：1の縮尺となっている。この存在がニュースになったことでエジプト政府の知れるところとなり、問題視された。本物のスフィンクスはユネスコの世界遺産に登録されているが、世界遺産条約を締結している中国がスフィンクス像をコピーすることは条約に違反しているとして、エジプト政府はユネスコに訴え出た。

エジプト政府で文化財を管轄する部門の責任者は「どのような名目であれ、文化財の所在国の権利を侵害している」とし、すでにユネスコに訴え出たことを明かした。偽スフィンクス像は造形の細部が本物と大きく異なることから、訪れた観光客に誤解を生じさせる可能性があるとして中国に像の撤去を求め、賠償を求めることも辞さないとしている。

エジプト観光庁の関係者は「中国もエジプトも長い歴史を持つ文明国であり、互いの歴史的文化財を尊重し合っている」とし、「中国にエジプトの観光業を損ねるような意図はないと信じている。コピーした文化財でエジプトの歴史や文化を宣伝するというのであれば歓迎する」とコメントしている。（翻訳・編集/岡田）