南水北調プロジェクト通水からちょうど7年、1年分の黄河に匹敵する水調整―中国

人民網日本語版    2021年12月14日(火) 18時50分

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南方地域の水を北方地域に送り水不足を解消するプロジェクトである「南水北調」の東・中央線一期プロジェクトの通水が全面的に始まって7年がたった。

中国南方エリアの水が北方エリアに送られることで、広大な大地が潤い、活気にあふれた発展の情景と山や川からなる美しい自然の景色が一つになったスケールの大きな景観を結び付け、巨大な社会的、経済的、生態的効果を生んでいる。

今月12日で、南方地域の水を北方地域に送り水不足を解消するプロジェクトである「南水北調」の東・中央線一期プロジェクトの通水が全面的に始まってちょうど7年がたった。中国の水利部の統計によると、ここ7年、同プロジェクトで調整された水は累計で約494億立方メートルに達している。うち、中央線一期プロジェクトは441億立方メートル。東線一期プロジェクトで山東省に送られた水は52億8800万立方メートルだった。黄河の長年の平均流量を基に試算すると、南水北調プロジェクトにより、黄河の1年分に相当する水が調整されてきたことになる。

「水圧も問題なく、水の量も安定しており、飲み水に困ることはなくなった」と話す山東省夏津県蘇留荘鎮小石堂村に住む石書栄(シー・シュウロン)さんの家には水道が引かれ、蛇口からきれいな水を飲むことができるようになっている。

飲み水の変化について、「南から送られてきた水は、口当たりがよく、甘い」と話すのは河北省邯鄲市邱県古城営鎮北王楼村の村民・張海英(ジャン・ハイイン)さんで、「井戸水の代わりに水道水が飲めるようになった。水垢も少なく、水質が良く、お粥がおいしくできる。河北省黒龍港流域の500万人以上がフッ素の数値が高い水と別れを告げた」と感慨深く語る。

南方エリアの水がはるばる送られて来る北方エリアでは、水不足が効果的に解消されている。北京市市内で現在供給されている水の7割以上が「南方エリア」から送られてきた水で、天津市の中心地で供給される水に至ってはほとんど全てが「南方エリア」から送られてきた水となっている。山東省では、「T」字型の水ネットワークが形成されている。このように、南水北調で調整された水は、北方エリアの大・中都市40都市の主な水源となっている。

南水北調の中央線は生態補水として使われ、以前は水が枯れていた河川も水が流れるようになり、従来の姿を取り戻している。「華北エリアの宝石」と呼ばれる湖・白洋淀は以前、水量が少なく、水質が悪いという問題に悩まされていた。2018年以降、南水北調の中央線から白洋淀に生態補水が流されるようになったほか、黄河の水や現地のダムの水などが加わり、白洋淀の水域の面積は171平方キロから約275平方キロにまで回復した。

北京市と浙江省杭州市を結ぶ「京杭大運河」の航路も、同プロジェクトのおかげで通行条件が改善している。運河の南航段では現在、東平湖から長江までの全線が開通し、1000‐2000トン級の船舶がスムーズに通行できるようになっており、港の処理能力は1350万トン向上した。

中国南水北調集団の関係責任者は、「南水北調プロジェクトは水が豊富な長江流域と、水不足の黄淮海流域をつないで相互補完し、中国の水資源の総合利用効率が向上したほか、経済・社会の発展構造が最適化されつつある」と強調する。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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