今年2回目の預金準備率引き下げ、経済・不動産・株への影響は?―中国

人民網日本語版    2021年12月8日(水) 5時50分

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中国人民銀行は6日、今年2回目の預金準備率の引き下げを行うこと、それも全面的な引き下げを行うことを発表した。写真は上海のマンション。

中国人民銀行(中央銀行)は6日、今年2回目の預金準備率の引き下げを行うこと、それも全面的な引き下げを行うことを発表した。経済、不動産市場、株式市場にどのような影響をもたらすだろうか。中国新聞網が伝えた。

■実体経済の総合的資金調達コストの引き下げなどの政策の効果を突き固める

消費者金融の招聯金融の董希●(ドン・シーミアオ、●は水が3つ)首席研究員は、「人民銀行が年内に今年2回目の全面的な準備率引き下げを行い、銀行へ長期的で安定した低コストの資金を持続的に提供し、銀行システムの流動性を増やすと同時に、銀行の資金調達コストを引き下げることは、銀行の中小企業、零細企業、自営業者に寄与する意欲と能力を高め、実体経済の総合的資金調達コストの引き下げなどの政策の効果を突き固め、銀行の実体経済に利益を還元し、小規模・零細企業に寄与する行為がより持続性をもつようにする上でプラスになる」と述べた。

また董氏は、「預金準備率引き下げ後、銀行にとっては、流動性がよりゆとりをもち、資金コストがより低下し、貸出を放出する意欲と能力が高まることになる。企業にとっては、銀行からの借入がより容易になり、貸出金利もさらに下がって、資金調達コストがより低下するものと期待される」と指摘した。

■不動産企業への圧力が早急に緩和される

年末になると、不動産企業が「価格戦争」を仕掛け続ける裏には、不動産市場はますます目に見えて冷え込んでいくことがある。預金準備率引き下げがもたらす市場の流動性のゆとりが、不動産市場にとっては一定の好材料になる。

上海易居不動産研究院のシンクタンクセンターの厳躍進(イエン・ユエジン)研究ディレクターは、「引き続いて不動産を含む各マーケットエンティティが銀行と接触する際に、貸出を獲得できる可能性がより大きくなり、利便性もより高くなる。これは不動産企業の資金面の圧力をより迅速に緩和する上で、積極的な役割を果たすことにもなる」と述べた。

厳氏は、「貸出能力が増強される中で、不動産企業の物件売り出しのリズムも加速し、少なくとも今後の不動産販売状況はそれほど悲観的なものにはならない。あるいは来年第1四半期(1-3月)には、一部のプロジェクトと緩和された住宅ローンとが結びつき、販売のリズムが加速し、不動産市場の活発な動きと不動産企業の資金の迅速な回収などにとって積極的な役割を果たすとみられる」という見方を示した。

■金融銘柄など株式市場の重要銘柄形成にとって好材料

中南財経政法大学デジタル経済研究院の盤和林(パン・ホーリン)執行院長は、「株式市場を見ると、預金準備率引き下げは市場に流動性をもたらし、また投資家に信頼感をもたらしており、金融銘柄など株式市場の重要銘柄を形成する上で好材料になる」との見方を示した。

盤氏は続けて、「現在、中国の株式市場の登録制度の下では、IPO(新規株式公開)が徐々に常態化し、北京証券取引所が取り引きをスタートすると、資本市場の構成銘柄が増加した。そのため一定の流動性の投入を維持することは資本市場の安定に有利であり、株式市場は年末の流動性が枯渇する時期を安定的に乗り越えられるようになる」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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