Record China 2021年9月14日(火) 8時20分
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ドイツメディアのドイチェ・ヴェレは12日、韓国について「あいまいな戦略を継続するのは難しい」とする記事を掲載した。
記事はまず、韓国国防部が「より威力が大きく、射程距離の長い精密なミサイル」の開発を発表するとともに、新型ミサイルは朝鮮半島の平和を維持するためにのみ使用されると表明したことを紹介。その後、射程500キロの弾道ミサイル「玄武2B」をベースにつくられた潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を水中発射する実験が行われたことを挙げた。
そして、このことは「米国が今年5月、戦略的パートナーである韓国に中長距離ミサイルの保有を初めて認めた韓国の外交政策の典型的な表れ」であると指摘。韓国は中期的にインド太平洋地域の防衛により密接に関与することになるとする一方、「長距離ミサイルの開発をめぐっては中国を怒らせることにつながるため、韓国は慎重な姿勢を示している」と伝えた。
その上で、韓国は文在寅(ムン・ジェイン)政権になってから、米国と中国との間で「あいまいな戦略」を取ってきたと指摘。記事は「価値観では西側だが、いかなる反中同盟にも加わらない」という原則を「本質的に矛盾している」と批判したほか、「こうした立場は米国の同盟国の間でますます不評を買っている」とした。
記事によると、コンラート・アデナウアー財団の韓国代表は「人々は今のところ韓国がインド太平洋地域の平和と安定、繁栄の拠点であると認識している。ただ同時に、全体の中で最も弱い部分であるとも指摘されている」と語った。5月の米韓首脳会談では民主や人権、法の支配といったビジョンを確認したものの、4月の日米首脳会談の時とは異なり中国を名指しした声明を発表しなかったことに言及し、「韓国は対中関係悪化は国益に反すると考えている」とした。
また、韓国が中国を怒らせたくない理由は、北朝鮮問題が最優先課題であるからだとも指摘。「北朝鮮への制裁や交渉の進展は、中国政府の出方に大きく左右される」とした。これについてはドイツ国内の専門家からも「米国は対中関係を最重要課題に据えているが、韓国は北朝鮮政策を考慮した独自の外交政策を展開している」との見方が出ているという。
記事は、韓国が歴史上、常に「クジラの間のエビ」のような存在であったと説明。以前は中国と日本の間で、そして現在は中国と米国の間でと、常に大国間でバランスを取ることに注力せざるを得ないとする一方、「こうした戦略は事態の展開と共に維持することが困難になっている」とも指摘した。
その理由の一つとして、米中が主導権を争う中で、米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)が韓国に対して「米国の盟友であることを再確認」するよう提言したことを挙げた。米シンクタンク・ランド研究所のアナリストは「あいまいな戦略は実は高コストで低収益。同盟関係に緊張を招く上に、中国に韓国への圧力強化を促す可能性もある」と警告した。
二つ目は、「中韓の経済関係が変わったこと」だという。記事は「中国は韓国にとって最大の輸出先になっているが、多くの産業で当初の提携関係が競争関係に変化している」と指摘。スマートフォンやバッテリーといった重要な輸出商品において、中国企業が世界市場で韓国企業の脅威になっているとし、成均館大学中国研究所の専門家の指摘として「価値観やルールをめぐる争いが激化する中、(中韓の)経済上の共通利益に対する意識が弱体化している」と説明した。
そして三つ目は、「韓国の民意」だ。記事はピュー・リサーチ・センターの調査結果から、中国に否定的な見方をする韓国人が2002年の31%から75%に増加する一方、肯定的な見方をする人は64%から24%に減少したと紹介。新型コロナウイルスの発生と中国の「戦狼外交」がこのような結果をもたらしたと分析したほか、最近では文化をめぐる争いも起きていると伝えた。(翻訳・編集/北田)
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