人民網日本語版 2021年8月10日(火) 8時30分
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東京五輪とスポンサー契約を結んだ日本企業60数社が支払った協賛金は合計30億ドルに上った。しかし、最終的に得られる成果は予想には及ばないとみられる。
東京五輪が開幕すると、テレビで試合が実況中継され、新聞やインターネットなどのメディアは試合の結果を伝える以外に、日本の街角には五輪ムードが高まっていたとはいえない。経済日報が伝えた。
千葉県千葉市美浜区にあるZOZOマリンスタジアムは今回の五輪で、日本人の好きな野球やソフトボールのメイン会場となり、場内ではここ数日、激しい戦いが繰り広げられていたが、スタジアムの外は「東京2020」の横断幕の横をたまに市民がそそくさと通り過ぎるだけで、五輪歓迎ムードは少しもうかがえない。現地の人は、「観光客が増えなくて、ちょっと安心」と話し、新型コロナウイルス感染症への関心が五輪への注目を上回ることがうかがえる。
東京都が2017年に発表した試算報告では、五輪は東京の国際観光都市、国際ビジネスセンターのイメージを高め、直接の経済効果は12兆2400億円に上るとしていた。日本政府観光局のまとめた統計では、日本政府のインバウンド発展政策にけん引されて、訪日観光客は15年の1973万人から19年の3188万人に増加した。それを受けて、30年は6000万人のインバウンド客受け入れを目指す新たな目標が設定された。しかし「バラ色の夢は感染症に徹底的に粉砕された」。五輪開幕の2日前の7月21日、東京都は新たな五輪評価を発表し、五輪・パラリンピックの会場、公園などのインフラと五輪開催の過程で形成された作業方式の改革などは東京五輪のレガシーになるとの見方を示したが、ポスト五輪時代の経済効果だけについては言及しなかった。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、「東京五輪は新型コロナウイルス感染症が発生してから世界で初めて大規模に入国制限を緩和し、外国人選手の入国を受け入れたケースであり、各国の国境開放にとって参考になる。しかしポスト五輪時代の経済効果は、これから考える課題になる」との見方を示した。
■企業の支援が低調に
東京五輪とスポンサー契約を結んだ日本企業60数社が支払った協賛金は合計30億ドル(約3300億円)に上った。これらの企業は五輪の広告で知名度を上げ、さまざまな経営活動で経済的利益を得たいとしていたが、最終的に得られる成果は予想には及ばないとみられる。
日本最大のスポンサーのトヨタ自動車は省エネ環境保護カー数千台を提供しただけでなく、五輪の歴史を振り返り、トヨタのブランドイメージアップを図る広報番組も複数制作した。しかし日本国民の半数以上が感染症の中での五輪開催に反対し、東京五輪は最も議論が分かれるイベントになってしまった。そこでトヨタは最終的に、各種車両は予定通り五輪に提供するが、社長は開幕式をはじめ五輪関連のイベントに出席しないこと、巨費を投じた五輪関連のすべての広告を中止すると決定した。同社の広報責任者は、「今回の五輪は多くの点で国民の理解を得られていない」と率直に述べた。
外食産業大手のワタミの渡邉美樹会長兼最高経営責任者(CEO)も、「五輪の経済効果を考えるよりも、日本国内の感染症を早急に抑えた方がいい。これまで何度か緊急事態宣言が出されて、日本の経済損失は3兆円以上にもなり、感染症を迅速に抑制することが最良の経済対策だ」と率直に述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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