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韓国が陥った「デッドクロス」、文大統領の人口政策はなぜ効果が出ないのか―米華字メディア

Record China    2021年2月28日(日) 6時50分

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米華字メディア・多維新聞は26日、「韓国の人口がコロナ禍で“デッドクロス”に、文在寅大統領の人口政策はなぜ効果が出ないのか」と題する記事を掲載した。

米華字メディア・多維新聞は26日、「韓国の人口がコロナ禍で“デッドクロス”に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の人口政策はなぜ効果が出ないのか」と題する記事を掲載した。

記事は、韓国統計庁が発表したデータで、同国の2020年の出生数が前年比10%減の27万2400人となった一方、死亡者数は3.4%増の30万5000人となったと説明。1970年の統計開始以降、初めて死亡者数が出生数を上回ったとし、人口学で言うところの「デッドクロス(dead cross)」の状態になったとした。

また、韓国の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子どもの数)が0.84になったことについて、「世界最低を更新するのは3度目。人口水準を保つのに必要な2.1を大きく下回り、少子化が深刻な日本にも及ばない」と言及。「新型コロナウイルスの流行は22年まで続くため、韓国政府は出生率が0.72まで低下すると予想している。そうなれば、『45年には日本を抜いて高齢化世界一になる』との現在の予測が、さらに早まる可能性がある」とした。

その上で、「これは間違いなく文在寅政権の人口政策の失敗だ」と指摘。「文大統領はあらゆる手段を用いて少子化問題を解決すると宣言したものの、17年に政権を握って以降、出生率は年々下がり続けている。新型コロナの影響で出産意欲が低下したが、全体として見ればコロナは追い打ちをかけただけであって、出生率の継続的な低下の主な原因ではない」と論じた。

記事は、文大統領の「失策」としてまず「補助金制度の強化が遅すぎた」ことを挙げた。文政権誕生前の韓国の出生率は1.2前後で安定していたが、これは2006年から段階的に行ってきた補助政策が奏功したものだと分析。「フェミニストを自称する文大統領も、朴槿恵(パク・クネ)前大統領と同様に出産を急がせるのではなく、働く女性のキャリアに配慮した比較的穏やかな路線を進んだ」と説明した。

そして、「出生率逆転を掲げたものの大きな動きはなく、年々急速に低下する中で新型コロナが蔓延する中、文政権は昨年12月に、22年から出産や乳児がいる家庭への補助金を追加するなどの新たな計画を発表した。だが、これは22年にようやく発効するものであり、短期的な出生率急減を救うことはできない」と指摘。また、「補助金は出産にあたっての親の経済的な問題を緩和することはできるが、女性の出産意欲自体を大きく高めることは難しい」とし、一般家庭は依然として「産めても養えない」という問題に直面しており、子どもの教育コストの高さや若者の就職難、住宅価格の高騰などがいずれも悪化していることがその原因だとした。

まず、教育については、「19年の韓国の小中高校生の教育費は月平均32万1000ウォン(約3万円)となり、16年と比べて4分の1増加した」とし、「多くの家庭は2人目を産み育てるよりも、1人目により多くの投資をする傾向がある」とした。

次に、就職については、「韓国の求職者の4分の3は大卒で経済協力開発機構(OECD)の平均を大きく上回っているが、慢性的に質の高い雇用を供給できていない」とし、「韓国経済を牛耳る財閥は従業員を増やさずに収益を上げる方法を熟知している。中・大企業による雇用は労働市場全体で13%にとどまり、OECDワースト2位だ」と指摘。「仕事が安定するまでは家庭を持つことが難しく、社会全体の結婚・出産年齢は遅れ続けている。コロナによって雇用問題はさらに悪化し、昨年の大卒者の失業率は9.1%に達した」と説明した。

そして、「さらに厄介な問題」として住宅価格の高騰にも言及。「金融危機後に低迷した住宅市場を活性化するために住宅ローンの申請を緩和するなどした朴政権時代の影響もある」としながらも、文大統領の判断ミスもあったとした。「保有にかかる税などを引き上げて不動産を売却させようとしたが『購入制限令』は出さず、中央銀行はコロナ前から金利を下げ始めたためホットマネーが不動産市場に流れ込み、住宅価格が大幅に上昇。中産階級や投資家が今後の規制措置を恐れて購入に走るパニックを起こし、価格はさらに上昇した」と解説。結婚前に住宅を購入することが一般的な韓国社会において、不動産価格の高騰が晩婚、ひいては少子化に拍車をかけているとの見方を示した。

記事は、「総じて文政権の人口政策の失敗は、多くの民生問題を解決できなかったことに帰結している。こうした状況では、妊娠・出産や幼児期の補助金がいくら多くても焼け石に水であり、効果はほとんどないのである」と論じた。(翻訳・編集/北田

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