中国軍の潜水艦乗組員、5人に1人以上が精神衛生の問題報告、異例の研究公開―米メディア

Record China    2021年2月5日(金) 13時20分

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中国の潜水艦の乗組員のうち5人に1人以上が精神衛生の問題を報告していることが分かった、と米メディアが報じた。潜水艦部隊内部の研究が公開されるのは異例という。写真は大連で展示されている中国軍の潜水艦。

南シナ海で任務に当たる中国軍の潜水艦の乗組員のうち5人に1人以上が精神衛生の問題を報告していることが新たな研究で分かった。米CNNが報じた。中国軍内でも最も厳重な水準での保護下にある潜水艦部隊について、内部の研究が公開されるのは異例という。

CNNによると、研究は中国の第二軍医大学などが行ったもので、英国の軍事医学誌に掲載された。それによると、潜水艦の乗組員で重度の精神的問題を抱えた人の割合は人民解放軍全体と比較してはるかに高かった。

研究では中国海軍南シナ海艦隊の潜水艦部隊に所属する男性乗組員580人を調査し、511人から回答を得た。その結果、全般的な精神衛生の状態は人民解放軍の兵士全体よりやや悪い程度だったが、不安、恐怖症、偏執症、(精神的問題の)身体化の四つの領域に関しては全体よりも著しく悪化している状況が明らかになった。

研究者らは「今回の研究で初めて明らかになったことだが、南シナ海で展開する潜水艦部隊の兵士並びに将校は精神衛生のリスクに直面しており、深刻な心理的問題に苦しんでいる」と結論付けた。

高学歴の乗組員の方がより精神的な問題を抱える傾向があるとも分析。理由としては教育水準の低い乗組員に比べて孤立した環境で心理的重圧を和らげる方法が身についていないこと、自由や社会とのつながりを求める気持ちが強いことなどが考えられるとしている

さらに原子力潜水艦の乗組員の方が通常動力の潜水艦より問題が深刻化しているとも言及。任務中の事故や放射線が健康に及ぼす影響について一段と大きな不安を感じる傾向があるためだとされる。

中国は南シナ海のほぼすべての範囲で領有権を主張し、2014年以降、岩礁や砂州に人工島を建設。ミサイルや滑走路などを配置して軍事拠点化を進めている。同じく南シナ海の領有権を主張する周辺各国の政府はこの動きに反発しているほか、米国も中国の主張を認めず、定期的に海軍艦や軍用機を域内に派遣し、「航行の自由作戦」を展開している。 こうした南シナ海の軍事情勢が潜水艦部隊内での精神衛生問題の悪化につながっていると研究者らはみている。

米軍の派遣に対応する形で中国軍も南シナ海での軍事活動を増やしており、所属の潜水艦は2、3カ月潜航を続けることもある。乗組員は狭く、閉ざされた空間で、過剰な騒音にも悩まされながら日々を過ごすと研究者らは指摘する。 騒音で十分な睡眠がとれなくなるほか、人工の光を常に浴び続ける状況も精神衛生の問題を引き起こすことにつながるという。(編集/日向)

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