日本はTPPの高いハードルを越えられるか?―中国メディア

Record China    2014年4月13日(日) 8時12分

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11日、日本はTPP交渉で譲歩が得られず、高いハードルを越えるための手段を見つけようとしている。写真は山形の農家。

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2014年4月11日、英紙フィナンシャル・タイムズによると、日本とオーストラリアがこのほど自由貿易協定(FTA)に調印した。これにより7年に及んだ日豪FTA交渉が実質的な進展を遂げたことになる。だがFTAで豪と一致することが日本の最終目標ではなく、同紙によれば、日本はこれによって環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で米国に譲歩を迫りたい考えだという。TPP交渉で譲歩が得られず、日本は高いハードルを越えるための手段を見つけようとしている。

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▽マラソン並みの長距離走

高いハードル、それはTPP交渉の目立った特徴だ。専門家の分析によると、関税を引き下げるだけでなく、第三次産業、投資、労働力などの自由化や利便化が求められ、基準、技術障壁、知的財産権、競争政策、政府調達、さらには労働力、環境保護まで、あらゆる面で高い要求が打ち出されるのがTPPだ。ハードルが高いため、日本がTPPに加盟するにはマラソンのような長丁場の交渉をくぐり抜けることが必要だ。

2012年2月7日、日本政府は米国とTPPの第1回交渉を開始した。交渉は緩やかに進展し、13年4月には米国の民間部門の産業・労働者担当者が、米国と日本が合意達成に近づいていると発言。だが11月6日には、米貿易代表部(USTR)のウェンディー・カトラー副代表が、日米間TPP交渉にはなお多くの問題があり、日本の農産品の関税減免の問題、自動車貿易などの議題をめぐる隔たりは調整が難しいとの見方を示した。

今年の交渉でも日米の隔たりは埋まらず、あるメディアは2月の閣僚級会合でも進展は得られなかった、交渉は長期化する可能性があると報じた。日米両国だけでも交渉は困難を極めるというのに、他の11カ国とも一致しなければならず、この長距離走はいつゴールにたどり着けるやらわからない。

▽高いハードルの下でのゲーム

TPPは米国がアジア・太平洋地域に返り咲き、新たな貿易ルールを打ち立てるための重要な布石だ。日本の加盟を積極的に後押しすることも要の一つだ。

日本は経済を好転させることを目的として、米国の後押しに積極的に応え、TPP加盟の姿勢を打ち出した。「閉塞状況に陥った」日本経済を救い、「経済全体に積極的な影響を与え」ようとした。ある分析によると、TPP加盟は日本の工業製品の輸出を促進するだけでなく、安価な商品を輸入して日本国内の消費を活性化することにもつながる。さらには、TPPの恩恵は日本の経済構造改革の促進により多く現れるとみられ、日本にとって非常に魅力的であることは間違いない。

だがTPPのハードルは高く、日本は手こずっている。一部のメディアの分析によると、日本の農業に対してTPPの影響は非常に大きく、高額の関税で保護されてきた農業部門は市場が開放されれば壊滅的な被害を被ることになる。しかも難題はこれだけではなく、交渉が本格化すれば、日本政府は各方面の利益集団から次々に攻撃を受けることが予想される。

たとえば、日本の金融システムはかなり閉鎖的であり、これまで郵政システムに組み込まれていたゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は、日本でも屈指の規模を誇り、特殊な地位にある。TPP交渉では、当然のことながらゆうちょとかんぽの改革も要求され、日本にとって相当困難な問題であることは確かだ。さらに日本の医療システムも問題を抱える。TPPに基づいて基準を完全に自由化すれば、日本医師会などの既得権益層が大きな損害を被るため、TPP加盟に反対することは明らかだ。

日本の政界にも深刻な隔たりがある。安倍首相が13年2月に米国訪問するにあたり、野党の民主党や日本維新の会がTPPへの交渉参加を求める超党派議員連盟を設立した一方、自民党の議員236人はTPP交渉参加に反対の声を上げた。

▽苦悩は尽きない

日本はオーストラリアと自由貿易協定(FTA)に調印したことで、米国とのTPP交渉を有利に運びたい考えだ。日本の期待通りにうまく運ぶだろうか。最新の報道によると、日豪がFTA交渉で一致したため、米国はTPP交渉で態度を硬化させているという。

米国は譲歩せず、日本のTPP加盟は困難を極めるとみられる。開放によって硬直化した日本経済に発展へのエネルギーが与えられることは確かだが、経済や貿易、さらには国の安全保障にさまざまな潜在的リスクをもたらすことも予測される。どのように利益を調整するか、日本は綱渡りを強いられている。

農業について考えると、経済に占める農業の割合は小さいが、日本ではこれまで農業従事者が大きな力を持っていた。政界はこれまで農村や農業団体(農協)と事を構えることを避けてきた。TPPに加盟し、TPPの枠組内で農業従事者が大きな損害を受けないよう保証しようとすれば、巨額の補助金が必要になるが、その財源はない。日本はこれから非常に苦しい状況に陥るとみられる。農業分野だけでも難しいのに、金融システムや医療システムの利益バランスを取ることはもっと難しいといえる。

日本はTPPの高いハードルを越えたいが、現在の苦境はこれから長く続く苦悩の日々の始まりに過ぎない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)

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