消費増税を迎えた日本、岐路に立たされるアベノミクス―中国メディア

Record China    2014年4月1日(火) 23時18分

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1日、深刻な財政状況を緩和するため、日本の消費税率が5%から8%に引き上げられた。駆け込み消費が終わり、経済の「季節外れの冷え込み」を迎える可能性がある。

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2014年4月1日、深刻な財政状況を緩和するため、日本の消費税率が5%から8%に引き上げられた。駆け込み消費が終わり、経済の「季節外れの冷え込み」を迎える可能性がある。日本の世論は今回の増税が日本経済に打撃を与えるか、アベノミクスがこのハードルを乗り越えられるかを懸念している。人民日報が伝えた。

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橋本龍太郎元首相は1997年、財政状況を改善するため、消費税率を3%から5%に引き上げた。増税により個人消費が激減し、これにアジア金融危機が加わり、日本の経済成長率は増税前の3.1%から−3.9%に急落した。今年の増税はアベノミクスの進退の重要な時期と重なっており、17年前の二の舞いになることが懸念されている。

◆駆け込み消費の影響、今後の経済成長が原動力を失う

日本の最新の経済データは悲喜こもごもな内容となった。日本の2月の完全失業率は3.6%に低下し、前月より0.1ポイント改善され、2007年7月ぶりの低水準となった。生鮮食品とエネルギー価格を除く、日本全国の2月の消費者物価指数(CPI)は前月比で1.3%上昇し、9カ月連続で上昇した。日本の2013年通年のCPIは、前年比で0.4%上昇し、5年ぶりにプラスに転じた。これは15年間続く日本経済のデフレ状態が、改善に向かっていることを示している。

その一方で、物価変動を考慮した2013年第4四半期のGDP伸び率は年率換算で0.7%のみとなり、予想を下回った。その主因は設備投資の減少だ。日本メディアは2014年度のGDP伸び率が、日本政府が予想した2.6%に達することは困難になってきたと分析した。

消費増税の日本経済への最も直接的な影響は個人消費の低迷だ。アベノミクスの金融緩和策は円安を実現したが、予想通りに輸出を促進することはなかった。日本の近年の経済成長は輸出ではなく個人消費によるものだった。増税前の駆け込み消費により一部の購買力が事前に使い果たされており、今後の経済成長の原動力が弱まることは必然的だ。

みずほ総合研究所調査本部市場調査部長の長谷川克之氏は、「推算によると、消費増税の決定後、2013年度の増税前の駆け込み消費により、国民の消費額が0.8ポイント増加し、GDP伸び率を0.6ポイント押し上げた。2014年度は消費額が1.9ポイント減少し、GDPが1.3ポイント低下する恐れがある。日本は消費増税による景気低迷は避けられない」と指摘した。

金融緩和策はアベノミクスの三本の矢のうち最も成功した一本だったとされている。しかしながら、この矢も目標を完全に実現するには至らなかった。日銀は貨幣供給量の拡大により銀行の企業への貸付を促し、投資を拡大することに期待していた。しかしデータによると、日銀はこれらの資金を実体経済に向けてはおらず、この機会に国債を投げ売りし、銀行預金の増加率が貸付の増加率を大幅に上回った。エコノミストの7割は日本が今年夏に引き続き金融緩和を拡大し、景気低迷の影響を相殺すると予想している。米国が量的緩和策の終了を加速する中、その効果と影響力については今後の経過を見守る必要がある。

増税後の景気低迷の懸念から、外国人投資家はこのほど日本の株式市場と債券市場から相次いで撤退している。外国人投資家の円建て資産の売却額は3月中旬より新記録を更新している。

◆消費増税は避けられぬ選択肢、赤字埋め合わせの効果は?

消費増税は日本の深刻な財政状況にとって仕方がない選択肢だ。日本の高齢化は世界で最も深刻で、65歳以上の高齢者の占める比率が23%に達しており、年金・医療などの社会保障の負担が日増しに増加している。日本の「国の借金」の規模は、2013年にGDPの2.25倍に達した。日本国債は長期にわたり、主に国民貯蓄による購入に依存している。ところが2012年末の日本の各世帯の金融純資産残高はすでに政府債務の規模に近づいており、政府は国民から金を借りることにより生活できなくなっている。日本政府は2020年の収支バランス実現の目標を実現するため、税収源を拡大するしかない。主要先進国と比べ、日本の消費税率は低めだ。

慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏の推算によると、消費増税により税収が4兆7000億円増加する。このほど可決された2014年度予算案によると、日本政府の今年の支出は約101兆円で、税収は約50兆円となっており、消費増税による赤字埋め合わせは不可能だ。日本の財政再建の道には、依然として課題が満ちている。

みずほ総合研究所は、日本が財政収支のバランスを実現するためには、次の三つの条件を満たす必要があると指摘した。(1)経済の高度成長の実現(2)財政支出の大幅な削減(3)消費税率の15%への引き上げ。しかし日本の現実的な社会・経済条件を見ると、これはほぼ実現が不可能だ。

日本政府は2015年10月に消費税を8%から10%に引き上げようとしている。今年第2・3四半期の経済データは安倍政権が消費増税を続けるかを判断する目安になる。イェール大学名誉教授、内閣官房参与の浜田宏一氏はアベノミクスの中心的なブレーンだ。浜田氏はこのほどメディアの取材に応じた際に、消費増税を続けるかを慎重に判断しなければならないと表明した。安倍首相が昨年末に消費税率を8%に引き上げる決定をした際に、日本のGDP成長率は4%に達していたが、現在は約1%だ。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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