東南アジアは中国のコロナウイルスワクチンを信頼する準備ができているか―シンガポールメディア

Record China    2020年11月18日(水) 20時20分

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シンガポールのニュースサイトのAsiaOneは14日、「中国のコロナウイルスワクチン:東南アジアはそれらを信頼する準備ができているか」と題する記事を掲載した。写真はインドネシア。

シンガポールのニュースサイトのAsiaOneは14日、「中国のコロナウイルスワクチン:東南アジアはそれらを信頼する準備ができているか」と題する記事を掲載した。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)が16日、その内容を要約して次のように伝えている。

Fadli Barjadi Kusumaさんは8月中旬、故郷のインドネシア・バンドンにある大学の医学部に到着した時、不安を感じた。バイクタクシーの運転手であるFadliさんは、北京に本拠を置く製薬大手のシノバック・バイオテックが製造した新型コロナウイルスワクチンの後期臨床試験(治験)に参加するためそこにいた。親戚から治験について知らされたという32歳のFadliさんは、自分の仕事が他の人との物理的な接触が必要なため、治験ボランティアになりたいと考えた。「私は自分自身を守り、政府を助けたいと思っている。私はこのパンデミックの影響を本当に受けている。金がないので自分で事業を立ち上げることもできない。仕事も少なく、食べるだけの余裕がない」という。

インドネシアは、中国にとって、近隣の東南アジアに効果的で信頼できるものを供給する最初の選択肢であるのは西側諸国ではなく中国であることを保証する中国政府の取り組みの要となっている。中国は現在、世界中で治験の最終段階にある11のワクチン候補の四つを占めている。また、世界、特に貧しい国々へのワクチンの公正な流通を確保するための世界保健機関(WHO)の取り組みであるCOVAXへの参加も表明している。

中国は現在、フィリピンでの最終段階のワクチン治験の開始について交渉している一方で、マレーシアやベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーへのアクセスも約束している。

世界第2位の経済大国がこの地域でそのソフトパワーを高める機会は多い一方で、リスクも多くなっている。インドネシアのパジャジャラン大学で国際関係が専門のTeuku Rezasyah氏は、「バンドンでの治験でまずまずの結果がもたらされれば、中国は他のアジアやアフリカの国々と医学的に協力し、より多くの国にワクチンを提供することができる。しかし、治験が失敗した場合は、インドネシアにおける中国のソフトパワーは衰えるだろう」と述べている。

バンドンでの治験はこれまでのところ順調に進んでいる。シノバックは、インドネシアの国営製薬会社ビオ・ファルマにワクチンのライセンスを供与している。両社は今年末までに300万回分、来年には2億6000万回分の提供を目指している。1人当たり2回の接種を受ける必要があるため、これでインドネシアの人口の約半分をカバーすることになる。

インドネシアは、シノバックに加えて、中国のワクチン製造者であるカンシノ・バイオロジクスとシノファームからの誓約も確保している。しかし、インドネシアはすべての卵を一つのバスケットに入れないことを選択し、英国のアストラゼネカおよび米国のノババックスともワクチン製造に関する同意書に署名している。

フィリピンでは、ドゥテルテ大統領が9月、西側諸国は「前払金を要求している」として、中国またはロシアからのワクチンの購入を優先するとの意向を示している。フィリピンは、シノバックからの国内での治験実施に関する申請について検討している。フォルチュナト・ペーニャ科学技術相は、治験が11月下旬に開始される可能性があると述べている。

カンボジアは、中国のワクチンをより歓迎しており、WHOによって承認された中国のワクチンを採用すると表明している。カンボジア協力平和研究所の上級研究員、Sovinda Po氏は、「カンボジアの人々は現在、中国製品への信頼を高めており、パンデミックをうまく処理する中国の能力を信じているようだ。したがって、中国のワクチンは西洋のワクチンと同等かそれ以上であるはずだ」と述べている。

米シンクタンク、ランド研究所の上級政策研究員で疫学専門家のJennifer Bouey博士は、「中国のワクチンは国内市場と発展途上国を対象としている。現地の人々が中国のワクチンを受け入れるかどうかは国内の政治にかかっている」と述べている。

治験ボランティアのFadliさんや正常への復帰を願う他の多くのインドネシア人にとって、中国のワクチンは最大の希望だ。インドネシアは独自のワクチンを大量生産する計画を立てているが、2022年までに実現するとは予想されていない。Fadliさんは残っていた疑念を拭い、「はじめはちゅうちょした。だが少し調べて、このワクチンが非常に効果的である可能性があるため、否定的な考えを振り払った。中国の仕事ぶりはアジャイル(機敏)だ。コロナ対応も適切だった」と述べている。(翻訳・編集/柳川)

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