Record China 2020年10月3日(土) 14時20分
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中国に日本風の街が次々とつくられる理由について、レコードチャイナ編集部は専門家に話を伺ってみることにした。
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中国広東省に登場した東京の「歌舞伎町一番街」を思わせる街が、最近日本で相次いで報じられた。他の地域に目を向けると、遼寧省では「京都風情街プロジェクト」が進行中だ。なぜ中国にこうした街が次々とつくられるのか―。レコードチャイナ編集部は中国の専門家に話を伺ってみることにした。
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中国南部の広東省仏山市。ここに出現したのが不思議感いっぱいの「一番街」だ。客を出迎えるゲートには漢字の「一番街」に加え、「ICHIBAN STREET」の文字が並ぶ。日本のネットユーザーが「広東省仏山市に怪しい日本がある」と紹介したこの場所には日本の道路標識が立ち、当所の看板には「毛利探偵事務所」「アンパンマン」「ワンピース」など日本のアニメやゲームに関する名があちこちに。頭上には赤ちょうちんが連なり、日本仕様の赤いポストや「都営バスの渋谷車庫前停留所」といったものも設置されている。
一方、「京都風情街プロジェクト」が進むのは東北の大都市、遼寧省大連市だ。同市では9、10月にこのプロジェクトのPRや日本の人気商品の展示販売の場となる日本物産展を開催。さらに華東の江蘇省蘇州市では、日本風情を味わえる「淮海街」が先月27日に全面的にバージョンアップされた姿でリニューアルオープンを迎えた。中国メディアによると、600メートル足らずのこの「日式美食街」は1994年10月に開業し、2010年に「国家級著名・特色商業街区」に選ばれた。約5カ月にわたる工事では「桜花公園」も設けられたそうだ。
中国各地で見られるこうした状況について、元新華社記者で日中経済文化促進会の副会長を務める張志傑(ジャン・ジージエ)氏は「背景には次の3点があります」と語る。
張氏によると、まず挙げられるのが日本を訪れる中国人観光客の増加だ。日本政府観光局(JNTO)は2019年の訪日中国人の数を前年比14.5%増の959万4394人と報告している。うち、観光客は同15.5%増の857万5500人。新型コロナウイルスの影響で最近はその姿が見えなくなってしまったが、張氏は「近年、中国人観光客は年々増加しています。訪問先は有名な観光地にとどまらず、地方にまで広がりました。これは中国人の間の日本ブームを反映したものです」と指摘する。
二つ目は1980年代からの日本アニメの流行。「80年代以降の世代は日本のアニメとともに成長してきた」と言えるほどの浸透ぶりで、幼いころからそれに親しんできた80~90年代生まれは今の中国で最も強い消費意欲を持つ。日本のアニメのような雰囲気の街並みづくりは、こうした世代の消費を狙ったものだという。
三つ目は新型コロナを機に生まれた日本への親近感で、中国ではこれまでも、欧米文化に対する強い興味から「パリの街並みをそっくりそのまま再現した街」や世界の有名建築物を模した建物が各地に相次いで出現してきた。張氏は、中国が感染拡大に見舞われた際、日本の行政、民間企業が自発的にマスクや防護服などを中国に寄付したことが中国のネットで大きく紹介された点に言及した上で「日本への親しみが生まれた」と指摘。「今回の日本風の街並みの出現はまさにその表れなのです」と説明した。(取材/RR)
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