ユニクロの中国事業、現地CEOが発展の軌跡を語る=柳井正氏から影響を受けた言葉―中国メディア

Record China    2014年2月19日(水) 13時25分

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18日、カジュアル衣料品店・ユニクロの親会社のファーストリテイリングはこのほど、3月5日に香港預託証券(HDR)により香港証券取引所に上場することを発表した。

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2014年2月18日、カジュアル衣料品店・ユニクロの親会社のファーストリテイリングはこのほど、3月5日に香港預託証券(HDR)により香港証券取引所に上場することを発表した。今回の上場は新株発行による資金調達を予定しておらず、上場によりユニクロの大中華区におけるブランドの知名度を高め、中国における影響力を強化し、海外最大市場としての中国の地位を固めることになる。中国企業家雑誌が伝えた。

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ユニクロ中国のデータによると、ユニクロの店舗数(2013年11月時点)は日本国内856店、海外512店に達した。そのうち中国市場が270店と海外最大の市場で、2020年には1000店まで拡大する見通しだ。

ユニクロは昨年9月30日、上海市で世界最大規模の旗艦店を開店した。8000平方メートル以上の超大型店は、銀座の5000平方メートルの旗艦店、ニューヨーク5番街の旗艦店を上回る規模だ。中国進出から8年間が経過するが、中国はすでにユニクロにとって最大の海外市場となっている。

ファーストリテイリングのグループ上席執行役員、迅銷(中国)商貿有限公司CEOの潘寧(パン・ニィン)氏は独占インタビューに応じた際に、「戦略を調整し、中産階級にターゲットを絞り、日本式のサービスと先進的な小売業の経験を導入したことが、ユニクロの中国事業の成功の秘訣と言える」と指摘した。

◆正確な位置づけ、優良サービスでブランドの価値を向上

潘氏は、「私は2005年に香港のCEOに就任してから、中国事業の管理を正式に開始した。ユニクロの香港事業の粗利率は日本市場より高く、価格も日本市場より割高で、大きな成功を手にした。これは体験、サービス、細やかな気配りを強調したためだが、自社の市場における正確な位置づけ、ターゲットとなる消費者の正確な特定が最も重要だった」と話した。

潘氏は、「ユニクロが当時香港で大衆化路線を歩んでいたならば、ジョルダーノなどの現地ブランドとの競争が必然的に発生していたはずだ。そうなればユニクロの価値を最大限に発揮できなくなる。ユニクロは国際化されたブランドであり、この観点から事業を調整した。私はユニクロを、香港の現地ブランドよりも高級なブランドとして位置づけ、消費者のターゲットを中産階級に絞った」と述べた。

ユニクロは香港と中国本土において、いずれも中産階級にターゲットを絞っているが、異なる戦略を講じている。

香港で中心的な消費者は、小さい頃から日本のアニメに親しみ、日本の玩具で遊んでいるため、日本製品そのものが魅力的だ。そのため主な戦略は、日本の付加価値の最大化となった。

潘氏は中国本土ではサービスから着手し、「ユニクロ=サービス」というスローガンを掲げた。サービスの中で顧客に意外な喜びをもたらし、顧客の中でのブランドの価値を高めた。

◆ユニクロの中国販売価格、日本を10−15%上回る

ユニクロは中国本土に進出してから、長期に渡り局面を打破できなかった。これは日本のやり方をそのまま持ち込み、すべての人に対して市場最安値を提供したからだ。しかし価格を下げると、販売担当者はユニクロが最安値ではなくなり、多くの企業がさらなる低価格により競争を仕掛けてくることに気づいた。このような競争は、共倒れという結果を招く。

潘氏は苦しい状況の中、中国本土の消費者が、価格競争を必要としていないことに気づいた。割安な価格は喜ばしいことだが、より重要なのは商品がどのような価値をもたらすかだ。ユニクロのような国際ブランドにとって、顧客に国内では味わえない体験をもたらすことが最も重要だ。そのため潘氏は海外の、小売の面でかつてなかったもの(優良なサービスなど)を中国本土に導入した。これは中国本土の消費者に一定の衝撃をもたらし、彼らの興味を引きつけ、注目を集めた。

ユニクロの日本事業は特定の層にターゲットを絞っていないが、中国本土では中産階級以上をターゲットとし、日本より10−15%割高となっている。この戦略は現在も続けられている。

ユニクロの中国における従業員数は、当初の30数人から1万人以上に拡大した。8年前のゼロから現在に至る過程について、潘氏は「充実していた」と語った。潘氏が、ユニクロの創始者である柳井正氏から最も強い影響を受けた言葉は、「経営者の目を持ち、個人もしくは目先の利益のためではなく、長期的な目標のために取り組まなければならない」だという。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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