三大SNSのあけおめメッセージ勝負はQQが勝利、携帯メールは減少も3億通配信―中国

Record China    2014年2月12日(水) 10時24分

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2014年は1月31日が旧正月(春節)。中国では西暦の年末年始ではなく、旧暦が本番です。年明けの挨拶も大晦日にあたる1月30日や春節休みに行うのが一般的ですが、ソーシャルメディアを使った新年の挨拶が近年増加しています。資料写真。

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2014年は1月31日が旧正月(春節)。中国では西暦の年末年始ではなく、旧暦が本番です。年明けの挨拶も大晦日にあたる1月30日や春節休みに行うのが一般的ですが、ソーシャルメディアを使った新年の挨拶が近年増加しています。

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■三大SNSのあけおめ統計

中国ソーシャルメディアを代表するQQ、微信(WeChat)、新浪微博(Sina Weibo)のあけおめメッセージ統計が出揃いましたので、ご紹介したいと思います。

まずはQQからです。

大みそかにあたる30日、QQでは136億件の情報発信が行われたとのこと。ピーク時には1分間に3270万件に達しました。30日の動画発信は1600万件。地域別には広東省、山東省、江蘇省などの発信数が多かったようです。

そして次は微信(WeChat)です。

微信での情報発信総件数は公表されていないのですが、同じく大晦日の1月30日における情報発信数は昨年同時期比で2倍、情報取得数は3倍とのこと。ピーク時には1分間に1000万件の情報量だったそうです。 情報量ピークの時間帯は22時と24時。地域別には北京市が最多。広東省、浙江省、遼寧省、江蘇省と続くようです。

最後は新浪微博(Sina Weibo)です。

新浪微博も情報量の総数は公表していないのですが、1月31日元旦0時からの最初の一分間では86万3408件の投稿があったそうで、2013年の同時期の投稿数は72万9751件でしたので、昨年から13万件強増加していることがわかります。

■新浪微博は負けたのか?

さて、ざっと3大プラットフォームの旧正月期間における投稿数の数値のみを紹介してきましたが、上記の結果をみると、微信(WeChat)が急速にそのユーザーを増やしているとはいえ、QQがなおコミュニケーションツールの王として君臨していること。新浪微博は計測時期が違うとはいえ、2桁も数値が違うことからして押され気味だということがわかります。

しかし、今回の計測はあくまでも旧正月における挨拶、いわば1対1もしくは1対多数のコミュニケーションが基準となっていたことも事実です。

個人的にはソーシャルメディアプラットフォームはその役割、という意味で大きく2つに分かれると思っています。 友人や知人など親しい間柄で交流や情報交換などを行うのが主目的な『内向きソーシャルメディア』と、ソーシャルメディアを通じて未知の人々と知り合ったり、それらを対象に情報拡散を目指し、パーソナルブランディングなどが主目的な『外向きソーシャルメディア』です。

内向きソーシャルメディアの代表格はFacebookで一昔前ならMixiなどもその部類でしょう。そして外向きソーシャルメディアの代表はTwitterです。そして、今回の例でいえばQQや微信(WeChat)は前者、新浪微博は後者であるといえます(※機能的な面を言及しているわけではなく、あくまでプラットフォームの性格として、です)

したがって、今回の計測でQQや微信(WeChat)が圧勝したという結果もある意味ごく自然なもので、というのも新年の挨拶は見知らぬ誰かに投げると言うよりは、やはり友人、知人などよく知っている人々に送るのが自然だと思うからです。

今後機会があれば、違った基準でもこの3大プラットフォームを比較してみたいものですが、この結果を通して思うことがあります。昨年辺りから新浪微博のユーザー数やアクティブ率の低下がよく取り上げられていますが、この『内向きソーシャルメディア』志向だったユーザーが離脱して、微信(WeChat)に移ったり、QQなどに戻ったりという現象もあるのではないかなと推測しました。

微博は2011年からのブームでユーザーを急速に増やしましたが、その中には『内向きソーシャルメディア』志向のユーザーも多く含まれていたのではないでしょうか。友人や知人が使っているからなどの理由で微博を使い出したのでしょうが、微信(WeChat)など自分に適したプラットフォームが台頭してきたことや、見知らぬユーザーから勝手にフォローされて勝手にコメントされるなど望まない結果がでてくるようになって、利用を止めたり離脱したりする例が増えているのではないか。そのためユーザー数、アクティブ率の落ち込みが見られるのではないかと推測しています。

■あけおめ携帯メールはさらに減少

さて、その辺は継続的に調査していくとして新年の挨拶でもう1つ忘れていけないプラットフォームが短信です。微博や微信(WeChat)などが台頭する前は新年の挨拶では短信を利用する人が非常に多かったのですが、2013年を境にその量は減少に転じ、2014年はまだ予測の段階ですが、更にその量を減らすことになりそうです。

こちら1日や1分間という期間での計測はなく春節期間、となっていますが、ピークだった2012年には同期間内に3.2億件もの情報交換が短信を通して行われていました。しかし、それをピークに2013年は3.1億件、そして今年2014年は3億件にまで減少すると言われています。

年齢別のデータがないのは非常に残念なのですが、おそらく80年代以降(80后)、特に85年生まれ以降(85后)に絞れば、この減少数はもっと顕著になるのではないかと推測しています。というのも最近急速に数値を伸ばしている微信(WeChat)などの中心ユーザーはその世代ですし、短信を使った新年の挨拶、というのは比較的利用者の年齢層が高いのではないかな、とも推測しています。

微博は先のCNNICのレポートでもユーザー数を減らしていましたし、今後友人、知人とのコミュニケーションツールという用途での利用は微信(WeChat)などに比べ、分が悪いのは明白なので、『外向きソーシャルメディア』志向なユーザーを中心に打開策を練っていく必要がありそうです。

また、この『内向きソーシャルメディア』と『外向きソーシャルメディア』の志向も、1人のユーザーの中に双方存在している場合も多いと思っていて、内向きソーシャルメディアに傾きすぎると外向きソーシャルメディアに走ったり、その逆も当然発生するので、中国ソーシャルメディアで今一番勢いのある微信(WeChat)の次は外向きソーシャルメディアが台頭してくる可能性も高いのでは、とも推測しています。

“次”の発生時期が何時なのかまでは現時点予測できませんが、今後そちらの観点でも注視していきたいと思っています。

◆筆者プロフィール:中尾貴光(なかお・たかみつ)

2009年7月に中国安徽省馬鞍山市でAndroidアプリや微博(ウェイボ)型社内SNSなどの自社製品開発、アウトソーシングなどに従事する会社を設立。その傍ら中国モバイルとソーシャル業界関連のブログ書いたり、上海Androidの会を主催したりしながら、家族とともに同地滞在中。

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