人民網日本語版 2020年8月29日(土) 9時20分
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新型コロナウイルスのパンデミックが続いているのを背景に、今年は留学の動向にも変化が起きている。写真はロンドン。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が続いているのを背景に、今年は留学の動向にも変化が起きている。秋の新学期を迎える大学が多いものの、欧米の多くの大学は始業の延期、またはオンライン授業への変更を発表している。また、新型コロナの影響で経営難に直面し、閉校してしまった大学もある。報道によると、今年7月の時点で、米国の大学だけでも33校が経営破綻し、中国人留学生5690人に影響が出ている。銭江晩報が伝えた。
パンデミックを背景に、留学生はどのような選択をすればいいのか?また、留学市場ではどんな新たな動きが見られるのだろうか?
ロンドンのある大学に通う中国人留学生の保護者・林怡(リン・イー)さん
巨額の学費を払ったのに中国で夜中にオンライン授業
3月初め、留学生の母親たちは「子供をどうやって帰国させるか」に頭を悩ませていたが、今は「留学先に戻らせるかどうか」が悩みの種になっている。
もともとは、私の娘は9月に英国の大学の2年生になるはずだった。ところが、8月初めに大学からメールが届き、オフライン授業の準備が整ったと知らされた。でも、メールの最後には、「学校に戻ることができなくても、事情は理解できる」と書かれていた。
一家で相談した結果、娘には引き続き中国に残って国内でオンライン授業を受けさせることにした。私の周りのほとんどの保護者も同じ決定をしている。なぜなら、子供の健康と安全が一番だからだ。
英国の大学は3年で卒業できる。でも娘は3月に帰国したので、もし来年になってから大学に戻るとすれば、留学生活の3分の1の時間は中国国内で勉強することになる。
英国と中国は時差が8時間ある。授業は英国時間の午後1時から5時までで、北京時間だと午後9時から翌日の午前1時まで。保護者たちは、「巨額の学費を払って、国内で夜間大学に通っているみたい」と冗談交じりに話している。
私の周囲の多くの留学生の母親は、家賃のことにも頭を悩ませている。今年初め、子供たちは急いで帰国したので、借りている家はそのままになっている。最初は数カ月分の家賃を損するだけだと思っていた。新型コロナの影響がこんなに長く続くとは全くの想定外。家賃はずっと払い続けているので、毎月1~2万元(約15~30万円)が何もしなくても消えていく。
杭州のある留学コンサルティング機関の責任者・Daniel さん
米国市場から英国市場へ移行
海外で新型コロナウイルス感染症が爆発的に流行し、留学市場は大打撃を受けている。入学を延期した学生もいれば、留学をあきらめて中国国内で進学の道を探す学生もいる。また、留学先を米国から英国に変更した学生もいる。
私のクライアントを見ると、名門校の学生は米国の学校を好む傾向がある。例えば、浙江大学の学生は、アイビーリーグ(米国北東部に位置する世界屈指の名門私立大学8校)に照準を絞っている。しかし今年は、私の知る限り、米国に行く予定だった同大学の学生の多くは、中国国内で大学院入試を受ける準備をしている。
以前は、英国と比べると、米国の最大のメリットは就職の機会が多い点だった。しかし現在は、米国では新型コロナウイルスが依然として抑制されておらず、ビザ取得も難しくなっており、就職できる確率が大幅に低下している。一方英国は、学生が卒業後2年の労働ビザを申請できるポスト・スタディー・ ワークビザ計画をタイミングよく打ち出した。
環境全体を見ると、就職市場において、留学経験者は以前ほど人気ではなくなっている。もし、卒業後に帰国することを計画しているなら、すぐに帰国して仕事を探すより、海外で2年の仕事の経験を積んでからのほうが得策だろう。
現在、英国への留学について問い合わせる学生は目に見えて増加している。しかし、英国の一流大学への入学枠は限られており、その枠を多くの学生が取り合うなど、他の問題も起きている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
(文章に登場する人名は全て仮名)
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