「そんなに引き出さんといて」ATMに値切られるという体験=ベトナム旧正月とマネー逼迫

Record China    2014年2月8日(土) 14時54分

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2014年は1月31日が旧正月、ベトナムのテトです。実はテトに関する経済問題が少なくありません。写真はベトナム・ハノイ。

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2014年は1月31日が旧正月、ベトナムのテトです。実はテトに関する経済問題が少なくありません。お正月需要で高騰する食料品価格。皆が待ち焦がれるテト・ボーナスとボーナス不足を怒る労働者のデモ…。そして何より問題となるのが現金需要の急増です。

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いまやビットコインなどバーチャルマネーまで流通する21世紀のデジタル社会ですが、テト前のベトナムは完全な「現金社会」。良い正月を迎える準備のため、帰省のお土産購入代金などなどとにかくお金、現金が必要となります。「すまん、給料先払いして!」と社員が頼み込む光景もしばしば。

そんなミクロな経済行動の積み重ねは、国のマクロ経済政策すら動かします。ベトナム中央銀行は昨年に続き、ドル買いドン売りの市場介入を実施、何とかレートを1ドル=2万1110ドンを保っています。やはり原因としてあげられるのは強いベトナム・ドン需要、特に労働者に給与支払いを行うために、ドルがドンドン(ダジャレじゃないですよ)売られているのだそうです。

15日付ベトナム紙TuoiTreには「銀行はATMに“お金を十分入れておく”ことにコミット」との記事が。「それくらいコミットして当たり前」と思っていたら、そう簡単な話ではないとのこと。田舎に帰る労働者も多いこの時期、現金需要が高まりATMの引き出しが続き、空っぽになってしまうということも多いのだとか。

「へーそうなんだ」などと他人事に感じつつ、ATMに行ったところ、わたし自身がテトの洗礼を経験することになりました。500万ドン(約2万5000円)下ろそうと思ったら、画面には「ゴメン、そんな持ってないから350万ドンにマケといて(意訳)」というメッセージが表示されました。

この微妙な値切りっぷりがマジっぽいですね。こりゃ本当に現金不足が深刻なんだと納得させられた次第…っていうかこのATMは銀行支店の目の前なんだから、ちゃんと補給しとけよ!とも思ったのですが。

◆筆者プロフィール:いまじゅん

ハノイ在住のベトナムウォッチャー。ブログ「ハノイで考えたこと」作者。中国在住も長かったので、ベトナムから見た中国、中国とベトナム比較といった視点にも注目。個人的には湘南ベルマーレの熱烈サポーターということから、サブトピックとしてはアジア・ベトナムサッカーにも関心大。

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