宮崎駿監督「風立ちぬ」から見る日本人の心理、日本は「国家が個人を押しつぶす時代」に逆戻りか―香港紙

Record China    2014年1月22日(水) 0時1分

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21日、香港紙・明報は宮崎駿監督の「風立ちぬ」を通し、戦後日本の国民の心理に関する記事を掲載した。写真は「風立ちぬ」の関連書籍。

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2014年1月21日、香港紙・明報は宮崎駿監督の「風立ちぬ」を通し、戦後日本の国民の心理に関する記事を掲載した。

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宮崎駿監督最後長編アニメとなった「風立ちぬ」は、宮崎駿らしくない宮崎駿作品と言ってよい。同作では今までの童話的な人物設定やファンタジー要素の物語がなく、歴史に忠実な作品となっている。「風立ちぬ」は1930〜1940年代の日本を題材としており、飛行機の設計が純粋に好きな若者が自身の夢をかなえるために、戦闘機を設計せざるを得ないやるせない心理が描かれ、見終わった後映画館には重苦しい空気が漂っていた。

宮崎監督は、同作品は困難な時代を必死に生きてきた人々に捧げると語っているが、抗日戦争という惨劇を記憶する中国人には、ピンとこない言葉だろう。日本では、個人の理想や願いは集団(組織)を通して実現するほかなく、民衆の精神は国家や会社といった集団に依存している。

第2次世界大戦時の日本の民衆心理も同じだ。国は他国への侵略を「聖戦」と偽り、国民はそれを信じ空襲や飢餓に耐えた。そのため、突然の敗戦宣告に民衆は裏切られた気持ちを抱いたことだろう。日本で戦争を題材とした番組や書籍などでは、こうした民衆の国に対する不満や無力さを垣間見ることができる。

昨今の日本右翼は、戦争に巻き込まれた民衆の不満を巧みに利用し、言葉を変えて日本の軍国主義を肯定している。宮崎監督は安倍首相の特定秘密保護法案に反対の姿勢を見せていたが、彼は「国家が個人を押しつぶす時代」に戻りつつあることに気が付いているのかもしれない。(翻訳・編集/内山)

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