フライメディア 2020年6月16日(火) 12時40分
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『食の都、香港』― 香港で食べられる美味しいものと問われ、多くの人が思い浮かべるのが「飲茶」ではないだろうか。
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『食の都、香港』― 香港で食べられる美味しいものと問われ、多くの人が思い浮かべるのが「飲茶」ではないだろうか。確かに香港で食す飲茶は、どれも外れがない。安い店から高級店まで、どこで食べても値段と雰囲気に応じたそれなりの味が楽しめる。
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この飲茶、オーダー方法としては、ワゴンで点心を運んできてそこから食べたいものを選ぶ「ワゴン式」、オーダーシートで注文をする「オーダーシート方式」、或いはレストランの店員に口頭でオーダーをする方法が存在する。
そんな値段もオーダー方法も様々な飲茶だが、“だんだんと出会えなくなった飲茶”も出てきている。それが「香港伝統のワゴン式飲茶」だ。
ワゴン式飲茶が減った理由は経費の問題が主だと聞いている。ワゴン押して歩く人を余計に雇わなければならない事、十分な点心を作って売り歩かなければならない事、そして一度作った点心が売れないと無駄が出る問題など、多くの難しさがあるようだ。
こういった問題から、注文したされたもののみを調理して提供すれば良い現在の方法が増えてきたとの事だ。それでも活気あるワゴン式の飲茶を体験したい、という人はとても多い。
今日は現存するワゴン式飲茶店をご紹介したい。上環にある蓮香居。中環の有名店・蓮香樓の姉妹店である。入り口は姉妹店と同じように伝統菓子やお茶などを販売し、上階で食事ができるようになっている。
コロナで外食産業が不況と言われている中であっても、この店はいつ出かけても満席に近く、地元の人びとで大賑わいだった。ピンクの蓮の花が艶やかで美しい食器は土産物としても人気。
店内では一般的な点心であれば、たいていのものが食べられる。野菜やピーナッツを包んだ透き通るような皮の蒸し餃子。そしてこれらの点心を運んでくるのが、店員が押してくるワゴンだ。テーブルの間をゆっくりとワゴンが移動をすると、両脇のテーブルに座る人びとはワゴンを覗き、そして待てない人はオーダー伝票を持ってワゴンまで蒸篭を取りにいく。食べていてもワゴンが通ると中身が気になりソワソワしてしまう。
言葉ができなくても蓋を取って中身を見せてくれるので、外国人でも飲茶を心おきなく楽しめる。ちなみに、ワゴンで運ばれてるのは蒸しものばかりでない。こんなワゴンも。
こんなワゴンも見つけた。なかみはクリームとの事だったが、甘いものだけではなく、叉焼が包まれたもの等も存在する。
この蓮香居、地元の人びとは店員も客同士も顔見知りというパターンが多いようで、人びとはゆっくりお茶を飲んで点心を少しずつオーダーしながら、自分の時間楽しんでいる。そして店員もそれぞれの顧客の名前だけではなく、好みまで知り尽くしているようだ。そんなローカル生活を垣間見るのは、旅行者にとっても楽しい時間であろう。色々な意味で在住者、旅行者ともに人気の店なのである。
食事は食べるだけでなく、見たり五感を使って楽しむもの。それが楽しめるのが、ワゴン式飲茶の最大の特徴でないだろうか。見て匂いを嗅いで活気を楽しむ体験ができる伝統的なワゴン式飲茶。
どこでもやっているスタイルではなくなったからこそ、今のうちに体験をして頂きたい大切な香港の食文化である。(提供/フライメディア)
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