Record China 2013年12月17日(火) 0時6分
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16日、米国のアジア太平洋回帰以降、ASEANは再び大国が奪い合う「人気者」となった。
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2013年12月16日、米国のアジア太平洋回帰以降、ASEANは再び大国が奪い合う「人気者」となった。(文:王義[木危](ワン・イーウェイ)チャハル学会シニアフェロー、中国人民大学教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
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このほど日本の安倍晋三首相は日本・ASEAN特別首脳会議で中国の東シナ海防空識別圏について再び騒ぎ立て、南シナ海防空識別圏を想像で作り出し、共同声明で「中国脅威論」を売り込もうと企てたうえ、今後5年間で2兆円の援助を約束することで、中国との対抗にASEANを取り込もうとした。だがASEANは中国の機嫌を損ねることを望まず、日本の誘いに乗らなかった。
日本のような金銭外交と一方の側につかせる戦略が空振りに終わるのには、すでに先例がある。かつてソ連の指導者ブレジネフもASEANを取り込んで中国を狙ったアジア安全保障システムを構築しようとしたが、失敗に終わった。いま日本が同じ手を使い、同じ失敗を繰り返すとは、歴史の皮肉でなくして何であろう?日本はかつて西洋に学ぶことでアジアをリードしたが、現在も西洋の古い思考で衝突と対立を引き起こし、派閥を組もうとして、平和・発展・協力という地域の潮流に背いている。
実はASEANは米国のアジア太平洋回帰で最も被害を受けた利害関係者の1つであり、東アジア統合の御者ではなくなり、日米中間でどちらかの側につくよう迫られている。これに対するASEAN諸国の胸中は想像できる。米国のアジア太平洋回帰戦略の第2段階もASEANを勝ち取ることに重点があり、ASEAN内の同盟国の助けを借りて、南シナ海の航行の自由の問題と領有権紛争を煽り、中国を抑圧する方法を採っている。幸い、米国の同盟国は中国との友好協力を犠牲にするとは限らない。この点において米国は常に自国を過大評価し、ASEANを見くびっている。
また、EUも積極的に割り込み、ASEAN地域フォーラム、アジア安全保障会議に加えて、東アジアサミットのメンバーになることも差し迫って望んでいる。
▼ASEANの心を真に勝ち取ることができるのは一体誰か?これは3点によって決まる。
第1に、ASEANの力を借りるのではなく、ASEANを信頼して重んじること。ASEANは統合水準全体ではEUに及ばないが、事務局は世界最大のイスラム国家であるインドネシアに置いており、文明の寛容性においてはEUを明らかに上回っている。EUはイスラム国のトルコの加盟をいまだに受け入れることができないのだ。この点から中国はASEAN統合の成果を高く評価し、ASEANプラス1、ASEANプラス3、ASEANプラス6協力の枠組みを一貫して積極的に支持し、東アジア統合においてASEANを信頼して重んじ、ASEANさらには世界の称賛を勝ち取った。反対に、「小さな馬が大きな車を引く」と非難し、からかう一部の国はASEANの力を借り、さらにはASEANカードを切っているだけであり、ASEANがそれを知らないわけがないし、他の国々が失望しないわけがない。
第2に、小を以て大につかえるのではなく、大を以て小につかえること。小を以て大につかえるのは智者であり、大を以て小につかえるのは仁者だと古人の言葉にある。ASEANを尊重し、ASEANの立場に立って考え、その関心に配慮することが、ASEANとの関係発展の礎だ。ASEAN統合の過程においては、ASEANの主体性を十分に尊重し、多くを与えて少しを取り、正しい道義・利益観を樹立し、仁義を広め、文化の多様性を尊重するのが、善の善なる者だ。反対に、利欲に目がくらみ、ASEANに一方の側につくよう迫る道は、行き詰まっていくだけだ。
最後に、衝突を激化するのではなく、トラブルを協力のチャンスに変えること。大国に挟まれ、歴史の記憶がまだ残る中、ASEANの心は比較的弱く敏感だが、地域の安全・安定の維持という点では比較的一致している。このため衝突が激化し、火中の栗を拾えば、傷つくのはASEANの心だが、10カ国によって1カ国を制止し、ごく一部の加盟国が自国の利益のためだけに米国の太ももにしがみつき、「南シナ海における関係国の行動宣言」と「東南アジア友好協力条約」の精神に違反するのを防ぐことは、完全に可能だ。係争を棚上げにして共同開発し、海上安全協力と海のシルクロードの建設を推進し、未来に幸福をもたらすことは、各国に幸福をもたらす。
中国のASEAN政策は日米の冷戦思考を越えて、運命共同体という考え方によってASEAN統合を積極的に支持し、コネクティビティ、産業の相互補完、RCEP(域内包括的経済連携)とTPP(環太平洋パートナーシップ協定)同時の進展を後押しし、ASEANプラス3、ASEANプラス6枠組みの構築を推進し、中国・ASEAN協力の「ダイヤモンドの10年」を築くものだ。これはどんどん実り豊かな成果を上げるに違いない。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)
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