中国はなぜ医療物資を「武器」にしないのか―米華字メディア

Record China    2020年5月5日(火) 11時10分

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3日、米華字メディア多維新聞は、新型コロナウイルスをめぐる米国からの激しい批判攻撃に対し、中国が医療物資の供給停止というカードを切らない理由について論じた記事を掲載した。写真は中国のマスク工場。

2020年5月3日、米華字メディア多維新聞は、新型コロナウイルスをめぐる米国からの激しい批判攻撃に対し、中国が医療物資の供給停止というカードを切らない理由について論じた記事を掲載した。

記事は、米国内で新型ウイルスの感染者数が100万人となる状況の中、米政府は中国を攻撃し続けているとし、トランプ大統領が1日に新型ウイルスの感染を拡大させた報復として中国からの輸入関税引き上げを「当然選択肢の一つ」として考えていることを明らかにしたと伝えた。

そして、米国からの攻撃に対して「中国は医療物資が不足しているという米国の弱点を利用し、中国に対する非難を止めさせるべきだ」との声が聞かれるとしつつ、現状では中国はむしろ米国に大量の医療物資を提供しているとした。

そのうえで、中国が米国への医療物資提供を停止するカードを切らない理由として、物資が人々の命に関わるものであることのほかに、「ウイルス対策の協力が世界の主流となる中で政治紛争を持ち出して他国を威嚇すれば、中国政府が掲げる『人類の運命共同体』に反することになるほか、国際的な道義上でも信用を失うことになる」と論じた。

また、中国にとって米国は重要な貿易パートナーであり、米国経済が苦境を脱出できなければ中国経済も影響を免れないと指摘。その影響を低減するためにも、米国を助けることが必要であり、それが自らを助けることにつながるのだとしている。

さらに、医療物資を生産する中国企業にとって現在の状況は大きな利益を出せるチャンスであるほか、米国をはじめとする各国の基準にあった物資や機器を提供する必要があることから、中国企業の技術力も否応なしに高まることになるとの見解を示した。(翻訳・編集/川尻

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