Record China 2020年4月15日(水) 16時23分
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新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、在日中国人の前向きな行動が日本メディアの関心を集めた。写真は取材を受ける曾穎さん。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府は7日夜、7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)を対象とする緊急事態宣言を発令した。日本全体ではマスクや消毒液などの医療、衛生関連用品が世界的な需要激増もあって供給不足に陥っている。こうした中、日本メディアがたびたび取り上げたのが在日中国人によるマスクの寄贈だ。
毎日新聞は2月、「『支援物資の恩返し』武漢を代表し渋谷でマスク配る かぶり物の中国人女性話題に」と題する記事を掲載した。
テレビ局も、東京の街頭でマスクを配布するこの中国人女性、曾穎(ツォン・イン)さんについて報じている。曾さんは早稲田大学を卒業し、広告の仕事に就いた。中国が新型コロナで深刻な状況に陥っていた時期、東京在住の曾さんは中国に対する日本人の気持ちを感じ取ったそうだ。
当時、日本のさまざまな方面が「中国のために」と募金した。街中では、湖北省武漢への寄付を呼び掛け、応じてくれた一人ひとりに深々とお辞儀する少女の姿まで見られた。東京が中国と同様の問題に直面するのを見た曾さんは、海外サイトでマスクを購入して東京の人々に無料で配布することに―。曾さんはその後の取材に、「中国での教育が私に教えてくれたのは、『投我以桃、報之以李(桃をくれた人にスモモで恩返しする)』ということ。日本での生活は『良いことをするのに恥ずかしがってはいけない』ということを教えてくれました。これが私の行動を決める原点です」と語っている。事態の早期終息を願う曾さんは今後、インターネットを通じて日本と日本企業の中国での宣伝をサポートする考えだ。
一方、東洋経済は記事「マスク220箱の転売やめ、配布した中国人の変心」で、白洋(バイ・ヤン)さんという在日中国人の男性を紹介した。白さんは中国で売るつもりだったマスク1万枚余りを無料で配布。SNS上で「自分の会社に受け取りに来た人に」と呼び掛けたほか、北海道などに一部を着払いで送ったという。レコードチャイナの取材に対し、白さんは2週間前に自身の業務がほぼストップしたことを説明し、「事態が一日も早く収まり、日本のパートナーとともに事業を続けられることを願う」との考えを語った。白さんの今後の計画は、「日本の文房具を中国で販売する」だ。
こうした積極的な行動は個人だけでなく、中国人が日本で経営する企業や中国人の団体などの間でも広がっている。来日35年になる日本湖北総商会の呉小玲(ウー・シャオリン)執行会長は武漢で1月に感染爆発が起きた際、現地に届けるための医療物資の手配に動いた。呉氏については、現代ビジネス掲載の「新型コロナ騒動のさなか、中国人が日本の友情に感動してるワケ」が紹介している。
3月に武漢では状況の好転が見られたが、日本の深刻度はいっそう増した。そこで呉氏は日本に支援物資を提供するため、中国の団体や個人との調整に奔走。結果、東京都にマスク15万2000枚、厚生労働省には3万枚が寄贈された。防護服も300着、贈られている。空港倉庫から都庁にマスクを持ち込んだ時の心情について、呉氏は職員から感謝のお辞儀を受けたことを紹介した上で、「とても疲れましたが、愛情のこもったこれらマスクが運ばれていくのを見た時はとても嬉しかった」と報告した。
3月11日~4月12日に日本の一部メディアが掲載した「中国の対日支援」に関する記事計88本をレコードチャイナ編集部が調べたところ、中国各地の政府、企業、団体、個人が日本に寄贈したマスクは787万6305枚、防護服は8万2250着、手袋は17万5000双、消毒液は6500本に上った。また、これとは別の方法の支援も見られた。例えば江蘇鳳凰教育出版社は「幼児のいる家庭で行う新型肺炎対策」の版権を無料で提供。現在、プロが翻訳した中国の専門家のアドバイスは10を超える日本のサイトで公開されている。
中国の孔鉉佑(コン・シュエンヨウ)駐日大使はメディアの取材を受けた際、「中国と日本は隣国です。日本とともに引き続き情報共有を強化し、主管部門や科学研究機構、関連企業の交流、協力展開を後押ししたい」とし、「それと同時に地域と世界の公衆衛生ガバナンスと協力を推進し、最大レベルで力を合わせ、早期に感染を封じ込めてこの土台の上に世界経済の回復を推し進める」と表明している。(レコードチャイナ編集部)
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