Record China 2013年11月26日(火) 19時49分
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26日、日本の消費電子製品大手シャープとOEM(他社ブランド製造)大手の鴻海精密工業との間の溝がますます深まっている。
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2013年11月26日、日本の消費電子製品大手シャープとOEM(他社ブランド製造)大手の鴻海精密工業との間の溝がますます深まっている。国際金融報が伝えた。
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日本メディアによると、シャープは鴻海と共同で中国業務を推進するというこれまでの計画を全面的に調整し、双方のスマートフォン(多機能携帯電話)をめぐる協力計画が終了する見込みだ。だがシャープの公式サイトはこうした情報を伝えていない。関連部門の責任者が述べたところによると、この情報はシャープが発表したものではないとみられ、日本の本社に確かめる必要があるという。現時点でシャープからの発表は何もない。
シャープと鴻海との協力はこれまでにも何度か挫折している。スマートフォンの共同開発の停止に始まり、シャープから鴻海の四川パネル工場への技術供与の中止、注目を集めながらめどの立たない鴻海からシャープへの出資交渉などがある。
シャープへの出資が期待される鴻海にとってみれば、マイナス要因が徐々に積み上がっている情況だ。クアルコム、サムスン、聯想(レノボ)、CECが次々にシャープの協力パートナーになっており、赤字を黒字に転換させたシャープにはもはや鴻海は不要との見方がある。
ある資料によると、シャープと鴻海の携帯電話での協力は2012年に端を発する。シャープが発表した12年度経営戦略では、13年に鴻海との協力関係をスタートして、中国スマートフォン市場に参入するとしていた。
業界アナリストの指摘によると、シャープは鴻海の販売ネットワークと製造力を十分に利用して、中国での販売業績を引き上げようと考えたが、予定通りにはいっていない。シャープのスマートフォンは中国での販売台数はとうの昔に上位10社から脱落した。鴻海の業務内容に詳しい業界関係者によると、「シャープの携帯電話はすでに販売の重点を日本に置いている。鴻海も国内のスマートフォン、例えば小米などとの協力を選択している」と話す。
中投顧問の李方庭(リー・ファンティン)研究員(情報技術(IT)産業担当)によると、シャープと鴻海の協力が暗礁に乗り上げたとのうわさが流れており、これは両社の協力に問題が出現したということのほかに、シャープが業務構造を調整したことと大いに関係があるという。
易観智庫の卓賽君(ジュオ・サイジュン)シニアアナリストがメディアに述べたところによると、シャープが鴻海とのスマートフォンをめぐる協力をうち切ったことは事実だ。アップルやサムスンを代表とするハイエンドの携帯電話や小米、華為などのミドルエンド・ローエンドの携帯電話が激しい攻防を繰り広げるなか、国内市場は飽和状態にあり、シャープ製品が足を踏み入れる余地はほとんどないからだという。
シャープと鴻海の協力が終了すると、鴻海からシャープへの投資にも希望はもてなくなる。交渉の対象となる複数の資本を見つけたシャープにとって、鴻海はもはや必要ない存在なのだ。
卓シニアアナリストは、「鴻海は資金繰りに困ったシャープを救うただ一つの『望み』ではなくなり、多くの選択肢の中の一つになった。シャープの戦略は多方面と合従連衡する局面を形成するというものだ」と話す。
シャープはすでに新しい投資家を見つけており、そのうちサムスンは1億1200万ドル(約112億円)でシャープの株式の3.01%を取得した。クアルコムはシャープと微小電機機械システム(MEMS)のディスプレー技術を共同開発するほか、シャープの株式の3.53%を保有する。
シャープは中国でテレビ事業の協力パートナーも見つけている。聯想と協力してスマートテレビをうち出したほか、CECとの協力を展開する南京8.5代線に約14億元(約233億円)を出資し、株式の8%を取得した。
これと同時に、シャープは財務状況が好転し、過去約2年間で初めて赤字を黒字に転換させることができた。
シャープの今年度第2四半期(7-9月)の財務報告によると、円レートの低下、太陽電池市場と液晶パネル市場の需要の回復に後押しされて、シャープは2年ぶりに四半期の黒字を達成し、純利益は1億3900万ドル(約139億円)になった。
鴻海がシャープに出資する場合の最大のマイナス要因は、シャープが資本市場から集めようと考えている資金は、鴻海に求める資金面の支援を大幅に上回るからだ。今年10月、シャープは第三者割当増資で1380億円の資金を集め、経営を再建しようとした。
だが鴻海は機会がないわけではない。資本市場で資金調達に必死のシャープは今なお資金不足に苦しんでおり、12年に銀行から借り入れた46億ドル(4600億円)もいまだに償還できていない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)
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