中国で子ども2人は「ぜいたく品」―海外メディア

Record China    2013年11月26日(火) 14時58分

拡大

25日、香港紙にこのほど、「上海市の親、計画出産政策の緩和に冷ややかな反応」と題した記事が掲載された。写真は中国の子供。

(1 / 2 枚)

2013年11月25日 、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストにこのほど、「上海市の親、計画出産政策の緩和に冷ややかな反応」と題した記事が掲載された。

その他の写真

新政策によって、上海市で2人目の子供を持つ資格を得た家庭は40万世帯を上回る。だが、上海市の親は別の思惑を抱いていることが、調査の結果明らかになった。

新浪網が上海に住む1200人を対象に実施した調査によると、70%は、「2人目の子どもを持つことは考えていない」と答えた。このうち24%は、「子どもは1人だけと決めている」と明確に意思を表明しており、46%が「多分1人だけで良い」と答えた。

2人目を生むことをためらう主な原因は、「養育費」にある。子ども1人の養育費だけでも家計に重くのしかかっており、多くの家庭にとって、2人目を育てるには家庭の経済力が及ばないのが実情となっている。

大まかな推計によると、上海市で、1人の子どもの誕生から大学卒業までにかかる費用は最低でも100万元(約1670万円)という。上海の一般的な家庭では、子どもの幼稚園の保育料が月3000元(約5万円)、英語その他の習い事の月謝が2000元(約3万3000円)かかり、子どもの養育費は、世帯月収の約半分を占めている。

1人目の子どもが男の子だった若年夫婦は、2人目も男だった時のことを心配している。上海市民は、男の子を育てるのにかかる費用は、女の子よりはるかに高くつき、男の子が成長して結婚する時には、新婚夫婦のスイートホームも準備しなければならない。

2人目を生むことで日常生活にのしかかる大きな圧力は、政策を練る側にとってプラスの情報とは言えない。施政者は、計画出産政策の緩和が、急速な人口の高齢化を食い止める一助となることを望んでいる。上海市老齢科学研究センターの研究結果によると、同市に住む60歳以上の高齢者は、2011年から2015年までの間に約100万人増加する見込み。

▼23日付シンガポール華字紙・聨合早報には、「極めて難しい選択:単独ニ胎」と題する記事が掲載された。

「2人目の子ども」は「ぜいたく品」だ。「産むべきか、それとも産まざるべきか?」―これは、中国人家庭がこの1週間、最もあれこれ考えを巡らせた問題であろう。

国民が長い間待ち望んでいた、「単独ニ胎(夫婦いずれかが1人っ子の場合は2人目の出産が認められる政策)」が正式に実施の運びとなった。確かに、2人目が欲しいと願い続けていた、どちらかが1人っ子の夫婦は、このニュースを聞いて小躍りしたに違いない。条件を満たす中国人夫婦は、「子ども1人は少なすぎる。2人がちょうど良い」と世間で言われている言葉通りの家庭生活を、正々堂々と営める権利を得たのだから。

いわゆる一人っ子政策の実施後、中国には約1億人の一人っ子が誕生した。これはつまり、新政策の条件にかなった家庭がそれだけの数生まれたことを意味する。だが、一人っ子政策が緩和された今、この新たな権利を享受するか否かについては、「十分な検討を要する」という姿勢の家庭が大部分を占めている。

人々の価値観に変化が生じるにつれて、「2人目が欲しい」という中国国民の積極性も、以前ほど大きいものではなくなっている。その上、子どもが男だった場合は、単に「家族が増える」だけでは収まらない。都市住民の生活コストは何もかもが高騰している。

「生む」は易いが、「育てる」は極めて困難な、非常に長い道のりだ。中国のネット上で広まっている家計簿詳細によると、北京・上海・広州などの大都市で、子ども1人を大学卒業まで育てるためには、200万元(約3340万円)以上かかる。これに対し、政府系データによると、北京の勤労者の昨年の平均月収は5223元(約8万7000円)だった。

当然のことながら、子どもが2人いることの良さは多々ある。「子どもは1人だけ」の計画出産策のもとで、両親は当然、一人っ子が孤独に陥らないかと心配したが、一人っ子という巨大な人口の塊の性格や特徴は、社会からも広く関心を集めた。米サイエンス誌に掲載された調査報告によると、1979年以降に生まれた中国の一人っ子は、「相互信頼力」が低く、リスクを避ける傾向にあり、悲観的な考えに陥りやすいという。報告は、「このような傾向は、中国の社会・経済に対して広い範囲で影響を及ぼす」と指摘している。

「空の巣家庭の高齢者に対する精神面での関心や愛情が不足している」状況は、「一人っ子」政策から派生した問題といえるだろう。家庭で老後の日々を送ることは、中国の伝統的な養老モデルであり、親世代が老年期に差しかかるにつれて、中国の第一世代一人っ子は、親の扶養という圧力に直面している。だが、現在の社会環境において、老いた親の面倒を見る力がない一人っ子もおり、これは避けて通ることのできない社会問題になっている。

個々の家庭にとっても、国家全体にとっても、「子ども2人」の時代を迎えることは、ひとつの試練となるだろう。中国政府は、長年にわたり議論を繰り返した末、慎重かつ妥当な一歩を踏み出した。しかし、それによって、政府は今後、人口増加によってもたらされる入学難や就職難という問題に向き合わざるを得ない。

「単独ニ胎」が現実のものとなり、「生むか、それとも生まないか」という選択肢を突きつけられ、ためらいの中にいる多くの家庭は、「2人目を諦めるのはもったいないのでは?」という考えを抱いている。夫婦いずれかが1人っ子の家庭が2人目の出産を認められ、これまでのように2人目を生んだことで高額の罰金を支払う必要もなくなったことは、「生んでも良いのなら当然生む。生まないのは損だ」という中国人ネットユーザーのコメントのように、中国国民が長く待ち望んできた「福祉」であることは間違いない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携