専門家「新型肺炎は軽症なら後遺症はなく、快復後は感染力もなし」―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月17日(火) 19時50分

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新型コロナウイルスに感染し、やっと治癒して退院したものの、奇異の目にさらされたり、プライバシーの侵害を受けたり、職を失ったりと、偏見に悩まされているという人もいるという。写真は武漢。

あるメディアの報道によると、新型コロナウイルスに感染し、やっと治癒して退院したものの、奇異の目にさらされたり、プライバシーの侵害を受けたり、職を失ったりと、偏見に悩まされているという人もいる。科技日報が伝えた。

中国医学科学院北京協和医学院免疫学部教授で、中国免疫学会の副理事長を務める黄波(ホアン・ボー)氏は、「新型コロナウイルスに感染し、治癒した人が他の人に危害をもたらすことはない。治癒したということは、体の免疫系がウイルスを排除したということで、その人を避ける必要はない。また、治癒して退院した人を差別したりしてはならず、サポートしたり、関心を示したりするべきだ」と指摘する。

北京朝陽病院呼吸・危重症医学科の王晶(ワン・ジン)主任医師は、「新型コロナウイルスに感染したのち、治癒し退院した人は、専門の医療機関で再検査を受けている。その期間中も自宅や指定の施設で隔離され経過観察を行っている。医療機関の複数回の診察、検査の結果、各指標が正常であることが確認された人の体内のウイルスはほぼ全滅しており、ウイルスの増殖も停止している。そのため、感染力はなく、通常の生活に戻っても何の問題もない。他の人はパニックになる必要はない」と説明した。

■快復後は体内にウイルスはなく、他の人にうつす可能性なし

「軽症型や普通型の患者は退院後の予後も良い。もともと症状が軽かったため、その快復も早いからだ。快復後は肺に後遺症が残ることもなく、ほぼ全快する」と王医師。

一部の重症型、重篤型の患者は、病情が肺や肝臓、腎臓、心臓など、複数の器官と関係しているため、炎症の指標が上昇したり、呼吸不全になったりすることがあるため、治療の過程が複雑で、快復も遅い。そのような患者の場合、快復後も、肺線維症などの後遺症が残り、肺の機能に影響を及ぼしたり、時々咳をしたりすることがある。しかし、ウイルスが排出されたり、ウイルスが増殖し、他の人にうつしたりすることはなく、感染力は全くない。王医師によると、A型、B型のインフルエンザの重症患者も快復後、肺線維症が見られるとし、「肌が炎症を起こした後、良くなっても跡が残るのと同じだ」とした。

■退院後も隔離観察、全快確認後に社会復帰

王医師によると、中国政府の最新の新型コロナウイルス感染による肺炎の診療案(第7版)の退院条件4項目(体温が3日以上正常、呼吸器の症状が明らかに好転、肺の画像診断が明らかに改善、PCR検査が2回連続で陰性)をクリアしなければ、治癒患者は指定の医療機関から退院することはできない。

新型コロナウイルスに感染し、治癒して退院した人の再検査を担当している指定医療機関の呼吸科医師は取材に対して、「治癒し退院した人は、自宅や指定の施設で隔離され、厳しく経過観察を行い、診察や検査も厳格に行う。そして、退院してから2週間目と4週間目に指定の医療機関で肺のCT検査、PCR検査、血液検査などを行わなければならない。その結果が全快していることを示している場合にのみ、通常の生活、仕事に戻ることができ、他の人に何かの影響を与えることは全くない」と説明した。

「新型コロナウイルスは感染力が強く、人々がパニックになるのは理解できる。しかし、感染拡大はほぼ抑え込まれ、全国各地の企業が活動を再開している。治癒した人の健康状況は良好というのには十分の根拠がある。人々のパニック状態も少しずつ収まるだろう」と王医師。

王医師は、治癒して退院した人は、自宅で経過観察している期間、飲食に注意し、体調をよく整え、ポジティブな気持ちを保ち、通常の生活や仕事に戻る準備を整えるようにとアドバイスしている。また、新型コロナウイルス感染を心配するのは普通のことであるものの、手洗いの励行、マスクの着用などを心掛け、友人らと食事をする時も一定の距離を保ち、野生動物を決して食べないなど、衛生に対する人々の意識が自然と高まっており、それは今後の感染病の予防、抑制につながるとした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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