高齢化社会の日本、中国は参考に―中国メディア

Record China    2013年10月23日(水) 23時40分

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22日、日本を訪れ外観から見た限りでは、環境が格別に清潔で静かであること以外、中国との違いはあまり感じない。しかし、深く日本社会を観察してみると、多くの違いを見つけることができる。資料写真。

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2013年10月22日、日本を訪れ外観から見た限りでは、環境が格別に清潔で静かであること以外、中国との違いはあまり感じない。しかし、深く日本社会を観察してみると、多くの違いを見つけることができる。なかでも日本だなと思うのは「日本の高齢化問題」である。銭江晩報が伝えた。

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▼日本の65歳以上の人口は総人口の1/4

統計からみると、日本の65歳以上の人口は総人口の23.1%(2010年、総務省発表)で、中国は2011年時で9.1%というデータから考えると、日本は高齢化の割合が高いだけでなく、人数的にも3000万人以上と決して少なくないことがわかる。

もし、日本の家庭や老人ホームを訪れてみると、高齢化の深刻さを理解できるだろう。日本の報道機関はこれまでの20年間を「失われた20年」と位置づけ、安倍晋三首相は必死になって日本社会に活力を再現させようとしている。だが、高齢化社会は新しい知恵の創出を失っている。日本人はアベノミクスを楽観視していない。企業は日本へ投資しようとせず、アベノミクスは成功が難しいという。中でも最も大きな原因は日本社会の高齢化だ。

日本の高齢化問題は非常に深刻だが、日本は高齢化がもたらす問題を克服しようと、高齢化を「老人力」に転換しようとしていることは中国にとっても参考となるところだ。

日本の福祉制度はよく整っているといっても、高齢化は今も昔も家庭に大きな負担をかけることに変わりはない。

つい先日、報道に携わる先輩にあたる富岡さんを訪ねた。彼は大手新聞の子会社の編集長を務めていた。三十数年前、知り合った頃はまだ新聞社で経済部長を務め、50代を過ぎたばかりだった。彼の教えを拝聴し、「垢抜けた個性のある大志を抱いた人」というイメージを持っていた。その後、ある週刊誌を創刊し、再会した時には編集部でしばらくは彼を見つけられなかった。編集部の一角にある机で富岡さんは本に埋もれて読書をしていた。机の上は本で埋もれ、彼はその中で必死に読んでいた。

今回再会した時、富岡さんはすでに私のことがよくわからないようだった。5年前、中程度の脳溢血で会話が難しくなり、歩けなくなっていた。脳溢血になった後、彼の妻は東京郊外の一軒家を売り、娘の住まいから遠くない場所に80平米ほどのマンションを購入、富岡さんを連れて転居した。毎日、ヘルパーさんが来て入浴や薬の面倒を見てくれるという。

商業保険が充実しているおかげで、日本の75歳の高齢者は各種医療費が減免され、障害者には経済的な補助が出る。毎月一定数のタクシーチケットが給付され、病院に行くとき、少なくとも週に1回は無料でタクシーを利用できる。

このように便宜が図られていても、家では富岡さんのために月30万円以上を負担している。退職金だけでは不足で、これまでの貯蓄と子どもからの支援が必要だ。日本の福祉はすでにかなり充実しているが、相変わらず家庭にかかる負担は深刻だ。

ひとたび、病人が出れば家族にかかる精神的な圧力は想像を超える。日本では気が利いた老人施設を探すのはとても大変で、病院は長くても3週間以上は入院させてくれない。富岡さんの受け入れ先が決まるまで、奥さんは家で夫の介護をせざるを得ない。

▼60歳から75歳までの高齢者がボランティアに―自分より高齢者のために働く

日本では、元気いっぱいの高齢者も多く見かける。

善隣協会の会合に出席した時、私は特にこの点を感じた。第二次大戦の終戦から1950年代まで、中国は一部の思想改造を終えた戦犯を日本に帰した。彼ら戦犯は中国に殺されなかった恩を感謝して、日本で善隣協会を設立し、もっぱら中国との友好を主張してきた。ここでの会合では、会議室に入っていくと私と同じくらいの年齢の人が多いように見えた。聞いてみると皆60歳をとうに過ぎているという。

中国で発生していることが彼ら会員の議論の主な内容だ。出される質問の内容から、彼らが非常によく勉強してからここに討論に来ていることがわかり、まったく高齢者であることを感じさせない。

老人大学で教鞭をとっている村田忠喜教授によれば、日本の高齢者が退職後文学を学んだり、ピアノを習うなどのことはよくあるという。

60歳で定年してから日本でいうところの「後期高齢者」である75歳まで、少なくとも15年間ある。多くの日本人はこの15年間、相変わらず元気いっぱいで社会でさまざまに活動している。私は60歳から75歳までの多くの高齢者がボランティアに参加してより高齢な人々へのサービスを行っているのを目にした。サービスをするたびに現地で使えるチケットがもらえる。彼らは町に繰り出し居酒屋でこのチケットを使い、定期的にボランティア同士のコミュニケーションを図るという。少しも年齢を感じさせない。

「2013年度WHO(世界保健機構)レポート」によれば、日本人の平均寿命は83歳と、中国人の76歳と比べ日本は7年も長い。高齢者の健康は、生活レベルの向上だけでなく、社会への貢献ができるということも意味している。(提供/人民網日本語版・翻訳/EW・編集/武藤)

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