失われるチベット・ローバ族の伝統文化=中印国境紛争の陰で―香港紙

Record China    2013年10月16日(水) 23時23分

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14日、中国チベット自治区やインド北東部に住む少数民族・ローバ族の伝統文化が中国とインドの国境紛争の影響で失われようとしている。写真は中印国境。

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2013年10月14日、香港紙・明報によれば、中国チベット自治区やインド北東部に住む少数民族・ローバ族の伝統文化が中国とインドの国境紛争の影響で失われようとしている。

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ローバ族の多くは1950年代に中国人民解放軍がチベットに侵攻した際にインド領へ避難した。その後、富裕層はインド領に留まったが、貧困者の多くは戻ってきた。チベットを中国が統治するようになり、そこに住むローバ族は貧困から脱却したという。

それから半世紀余りが経過したが、政治的な変化に翻弄されたことで、中国に住むローバ族の伝統文化はほぼ失われてしまっている。ある人は「文化大革命で“破四旧”(旧思想、旧文化、旧風俗、旧習慣の打破)にさらされ、古い物は捨てよという呼びかけに応じて、伝統衣装も装飾品も処分してしまった」と話す。

文化大革命が終わり、改革開放が始まると、政府は一転してローバ族たちに再び伝統的な衣装や装飾品を身につけて観光客を迎えることを奨励し始めた。村人たちは記憶をたぐりながら伝統衣装を仕立て直したが、装飾品には特殊な材料が用いられていたため、探そうにも探せず、買おうにも買えなかったという。

ローバ族は中国の56少数民族の中でも特に人口が少ない民族の一つで、主にチベット南部の山間部に住んでいる。2010年の国勢調査では中国領内のローバ族は3682人とされ、最も人口の少ないタタール族よりもわずかに100人ほど多いだけである。一方、インド領内のローバ族は60万人を数える。独自の言語はあるものの、文字は持たないという。(翻訳・編集/岡田)

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