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日本の漢方薬事業は売上好調、開発は中国に及ばず―中国メディア

Record China    2013年10月2日(水) 10時0分

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29日、香港科技大学生物学部の教授はこのほど遼寧省大連市で開催された夏季ダボスフォーラムに出席した際、記者団に対し世界の漢方薬市場について述べた。写真は漢方薬。

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2013年9月29日、香港科技大学生物学部の●華強(ジャン・ホアチアン、●は澹のつくり)教授はこのほど遼寧省大連市で開催された夏季ダボスフォーラムに出席した際、記者団に対し世界の漢方薬市場について、「世界の漢方薬市場の売上高は年間約800億ドル(約7兆8000億円)あり、このうち中国の売上は10%だ。中国で生産された安価な漢方薬材が、日本や欧州に輸出されると高価でもうけの大きい漢方薬製品に姿を変える。日本とドイツが漢方薬で最も大きな利益を上げている」と述べた。東方網が伝えた。

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漢方薬は中国が発祥地だが、中国の製薬会社は海外でしばしば「ワーテルローの戦い」(それまで連戦先勝だったナポレオン率いるフランス軍が大敗した戦い)に直面している。一方、日本の漢方薬事業は日に日に発展を遂げ、対外貿易も好調だ。

▽国際市場のシェアは巨大

日本の調査会社・大和総研グループがまとめたデータ・統計によると、海外の漢方薬市場では、中国が保有する特許権は0.3%にとどまる一方、日本と韓国は70%以上を占める。海外漢方約市場の規模はおよそ300億ドル(約2兆9000億円)で、中国製造(メードインチャイナ)の製品が占める割合は5%に満たない。

日本の漢方薬企業はその逆で、進んだ品質管理、分析技術、機械設備などをよりどころに、薬剤の品質を維持すると同時に、厳格な使用法や使用量をうち出す。また帝國製薬などの企業は加味逍遙散、当帰芍薬湯、桂枝茯苓丸、潰瘍性結腸炎治療薬などの製品で米国の特許を取得した。

▽「協力」を通じて市場を操作

日本の医薬品企業・ツムラのケースをみることにする。ツムラは中国の漢方薬から出発した企業で、中国での呼称「中薬方」を意図的に「漢方」と呼び変えた。同社が使用する「漢方」薬材の80%は中国から輸入されたものだ。

日本の漢方薬企業は中国と協力するところが多く、ツムラをはじめ企業は主に次のやり方を取る。(1)新疆維吾爾(ウイグル)自治区などの漢方薬材の生産に適した地域で、現地と協力して生産拠点を設立する(2)中国の一連の由緒ある漢方薬企業を買収する(3)中国のいくつかの漢方薬企業と合弁する。こうして中国の漢方薬パワーを借りて、日本の漢方薬企業は世界の漢方薬市場で80%前後のシェアを握る、というやり方だ。

こうした日中間の「協力」によって、中国の「六神丸」がツムラの「救心」に生まれ変わるのにはびっくりする。救心は年間1億ドル(約970億円)を売り上げるドル箱商品だ。

▽「育薬」で西側の認知を獲得

漢方薬の輸出をめぐる難問は、西側の価値体系では漢方薬をよく理解できないことにある。漢方薬の理論には玄妙でとらえどころのない概念が含まれ、これを英語に適切に訳すことは難しい。そこで、日本の漢方薬輸出戦略では「育薬戦略」(漢方薬が効果を発揮する疾患に的を絞って、臨床データの蓄積を行う取り組み)が非常に重要なポイントになる。

ツムラが開発した「六君子湯」を例に取ると、もともと虚弱体質の患者向けに開発されたこの漢方薬には、食欲を促進し、体質を改善する効果がある。欧米への普及をはかるため、ツムラは北海道大学との共同研究を進め、六君子湯を服用すると、体内で食欲を増進するホルモンが分泌されるとの結論を導き出した。そこで西側の医学界は、六君子湯を外科でのガン治療に際して食欲を増進する補助的な薬品として受け入れるようになった。

▽日本の漢方薬開発は中国に及ばない

日本のTS・チャイナ・リサーチの田代尚機代表取締役は、日本の投資界で有名な「中国通」だ。1984年から2003年までの20年間、日本最大の経済研究機関の大和総研グループで働き、94年から03年にかけては代表として北京市に駐在し、中国経済について深く研究した。

田代代表取締役は記者の質問に次のように答えた。

▽一人の投資家として、日本の漢方薬輸出が(中国を除く)世界市場で70%のシェアを占められたのはなぜだと思うか。

一番重要なことは「標準化」だと考える。日本の厚生労働省は非常に詳細な基準を制定し、薬効と化学成分を明確に標準化した。漢方薬と西洋医学の薬品を同一視しており、漢方薬が製品として生産されるようになり、世界各国が日本で製造された漢方薬を受け入れやすいようにした。

▽中国と西側には文化的な相違がある。西側の人々に漢方薬を理解し、受け入れてもらうにはどうしたらよいか。

西側の「合理主義」の枠組に合わせるしかない。最も重要なことは、漢方薬は偶然の経験に基づいて製造されるものではなく、だれでも再生が可能な「標準化による製造」が行われているものだとわからせることだ。これ以外の方法では欧米市場をこじ開けることはできない。

▽日本が施行する漢方薬の標準と欧米の標準が異なる場合、中国企業は欧米企業の標準になんとかして合わせるべきか。

日本がうち出すのは、世界で最も合理的かつ厳格な標準であり、欧米の標準と矛盾が生じることはない。日本の厚労省の任務は、こうした漢方薬のなんらかの基準を制定することでもある。日本は今、既存の漢方薬の効果を高めるために努力しており、科学技術的手段を運用し、薬効成分を増やし、不純物を除去し、最も適切な薬用成分の比率を追求している。

とはいえ、日本は新薬の開発で今なお中国に及ばない。中国の漢方薬企業は「実験主義」に基づいてあらゆる取り組みをしているからだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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