輸入車価格は世界一?買い方が賢明でなくつけこまれる中国消費者―中国メディア

Record China    2013年8月25日(日) 7時40分

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23日、中国の自動車価格が世界一高いという話題が、近頃ひっきりなしに聞こえてくる。実際、中国の輸入車価格が、特に高級輸入車の価格が海外の2倍から数倍にもなっていることは争えない事実だ。写真は南京で開催されたブランド品展の高級車。

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2013年8月23日、中国の自動車価格が世界一高いという話題が、近頃ひっきりなしに聞こえてくる。実際、中国の輸入車価格が、特に高級輸入車の価格が海外の2倍から数倍にもなっていることは争えない事実だ。自動車営業販売の専門家として著名な蘇暉(スー・フイ)氏(元北京亜運村自動車取引市場センター社長、中国自動車流通協会(CADA)有形自動車支部副会長)によると、輸入車の価格が高いのはディーラーのせいばかりではなく、消費者にも責任がある。高額の輸入車を購入する重要な理由はなんといってもメンツで、ディーラーが値段をつり上げても喜んで買う人がいる。それなら高値で売らない手はないというわけだ。このようなおかしな消費行動が、輸入車の価格を3倍、5倍とつり上げている。中国新聞社が伝えた。

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▽輸入車の高価格はディーラーだけのせいではなく消費者にも責任

中国で輸入車の価格が高くなる原因は、輸入車の価格にはメーカー、総代理店のコスト、経費、利益、関税、消費税、増値税(付加価値税)、強制認証制度(CCC、3C)のための費用など一連の税金も含まれる。ディーラーが倉庫から店へ車を輸送する費用もある。為替相場の影響も大きい。こうした要素が相まって、4S店(販売、部品提供、アフターサービス、情報フィードバックを手がける総合的サービス店舗)に並ぶ頃、輸入車は非常に高額になっている。

こうした原因のほか、消費者の「ミーハーぶり」も輸入車価格を押し上げている。たとえばアウディ「Q7」の場合、2010年にはコネがあってもなかなか買えず、価格は20万〜30万元(約320〜480万円)ほどつり上げられていた。ランドローバー・レンジローバーの価格298万元(約4760万円)の最高級クラス車の場合、11年には60万〜70万元(約960万〜1120万円)以上の価格つり上げがあり、非常に高い売値をつけていた。利益は2倍どころか、3倍にも4倍にも膨らんだとみられる。

▽金持ち二世や移転富豪が価格押し上げ、賢明でなくつけ込まれる消費者

高価格の輸入車を消費する重要な理由はメンツだ。ランドローバーのような車を買う場合、必ずしもハイエンドのジープが好きだからとは限らず、メンツのためであることが多い。ハイエンド車を買うのがどういう人かに注意する必要がある。ランドローバー、フェラーリ、ポルシェのようなハイエンド輸入車を買うのは、ほとんどが民間企業経営者か金持ちの二世だ。また、ここ数年の北京市の様子をみると、10年には高級車の買い手のうち、移転でまとまった金を手にした人が半数に上った。たとえば大興区の空港の改築で移転した人などは、かなりの金額の移転費用を受け取っており、ゆがんだ消費に走る人が多かった。

ディーラーの心の内はこうだ。価格をいくらかつり上げても喜んで買う人がいるなら、高値で売らないと損だ。こうしてゆがんだ消費行動が輸入車の価格を3倍、5倍とつりあげた。中国の輸入車価格が高いのは、「金持ちになると愚かになる」からだという人がいる。こうした言い方には、ハイエンド輸入車を買う人の心境が非常に象徴的に表されている。高い価格を助長しているのは消費者であり、何倍もの価格になった輸入車の市場を後押ししているのも消費者だ。冷静になれば、客観的な消費ができるようになり、価格もこんなに跳ね上がることはない。

▽独占も確かに存在する

中国の自動車産業には長年にわたり、独占行為が確かに存在してきた。中国自動車市場の独占現象は、早くも上海フォルクスワーゲン(上海大衆)が「サンタナ」を合弁生産した時にみられる。今も中国自動車市場で60%のシェアを占める合弁生産車に独占現象がみられる。輸入車も同じで、これは否定できない事実だ。市場の何らかの原因ではっきりとはわからない時期もあるが、ここ2年ほどは独占の様子がはっきりとうかがえる。

▽消費者保護の法規が未整備、買う前は神様、買った後は子ども扱い

中国で自動車の権利をめぐるトラブルが頻繁に起こり、高級車にも権利保護という難問が出現している。海外の整った消費者保護法に比べ、中国の消費者を守る制度は非常に脆弱だ。法律法規の条文はあるが、これを執行する技術も保証もない。メーカーもディーラーも法律は遵守しなくてはならず、これは望むか望まないかの問題ではない。トラブルが発生した場合、消費者に責任を押しつけるわけにはいかず、消費者は消費者協会に申し立てたり、メディアに情報を明らかにしたりすればよい。

中国の自動車ディーラーが世界と最も歩みをそろえるべきなのは、価格でもブランドでもなく、営業販売でもない。歩みをそろえる必要があるのは、アフターサービスの理念、イメージ、決意だ。海外の消費者は本当に神様のように大事にされているが、中国の消費者は購入前は神様扱いされるが、購入した後は子ども扱いされる。こうした傾向が変わらなければ、あるいはディーラーが自動車販売でボロ儲けしようとする姿勢から、よりよいアフターサービスを提供する姿勢へと変わらなければ、中国は自動車強国になることはできない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)

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