中国女子バレーの活躍描く映画「中国女排」が春節に公開 スポーツ映画の年となるか

人民網日本語版    2019年10月22日(火) 14時30分

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映画監督のピーター・チャン監督がこのほど、女子バレー中国代表チームの元監督・陳忠和や「黄金時代」を築いた元選手らと共に、福建省福州市で開催された第6回シルクロード国際映画祭に登場し、注目を浴びた。

映画監督の陳可辛(ピーター・チャン)監督がこのほど、女子バレー中国代表チームの元監督・陳忠和や「黄金時代」を築いた元選手らと共に、福建省福州市で開催された第6回シルクロード国際映画祭に登場し、注目を浴びた。陳監督がメガホンを取り、女優の鞏俐(コン・リー)らが主演の映画「中国女排(中国女子バレー)」は、2020年の春節(旧正月、2020年は1月25日)映画として公開される。その他にもテニス界のスター・李娜(リー・ナ)がヒロインの映画「李娜」や卓球がテーマの映画「中国ピンポン」など、スポーツ映画が来年続々と封切られる。新華社が報じた。

このようにスポーツ映画が続々と公開されることで、これまで中国が苦手としていた同分野の映画にとって、来年は大躍進の1年となるのだろうか?

常に伸び悩んでいた中国のスポーツ映画

ピンポン外交や、黄金時代を築いた女子バレー、ロサンゼルス五輪で、中国選手として史上初めてフリーピストルで金メダルを獲得した許海峰、北京五輪の開催など、スポーツをめぐるトピックスも、新中国成立後の非凡な歴史の一部分であり、中国の人々の心と記憶にしっかりと刻まれている。一方、中国国産映画市場を振り返ると、スポーツをテーマにした映画は散々たる状態で、好評を博し、ヒットしたと言える作品はほとんどない。スポーツ映画の名作というと、多くの人が「女籃五号(Woman Basketball Player No. 5)」や「沙鷗( The Drive to Win)」といったやや古い映画を思い出すだろう。香港地区の林超賢(ダンテ・ラム)監督がメガホンを取り、俳優の彭于晏(エディ・ポン)らが主演の「激戦(ハート・オブ・ファイト)」、「破風(疾風スプリンター)」などでも、興行収入は1億元(1元は約15.35円)を少し超えたほどで、「大ヒット」と言うにはほど遠かった。

中国で大ヒットするスポーツ映画がなかなか誕生しない主な理由は、「スポーツ界の人は映画の世界のことが分かっておらず、一方の映画人もスポーツのことが分かっていない」からだ。陳監督は、シルクロード映画祭で、「これまでに撮った映画の中でも、『中国女排』は最も難度が高い作品だ。現場でたくさんのコーチが難関をクリアできるようサポートしてくれている。しかし、ナイスプレーとそうでないプレーの見分けが、僕には全くつかない」と率直に語った。

アスリートはプロフェッショナルで、その役を務めるとなると、体つきや運動神経などの面で、役者は高いハードルをクリアしなければならない。「破風」で、プロのロードレーサーを演じた彭于晏は、毎日、約10時間自転車の練習をしたという。また、「翻滾吧!阿信Jump Ashin!)」で、体操選手を演じた際は、半年間体操を習った。

動画配信サイト・愛奇芸影業(iQIYI)の亜寧総裁は、「これまで、中国のスポーツ映画の興行収入が全く伸びなかったのは、公開当時のトレンドとも大きな関係がある。『激戦』が公開された頃は、歴史もののファンタジー作品が流行していたため、映画館に足を運んでいたのは女性がメインだった。女性はボクシングにはほとんど興味がなかった」との見方を示す。

業界関係者は、スポーツ映画が、他の作品を超える存在感を示すためには、ストーリーをおもしろくしなければならないと強調する。インドの山河影業の最高経営責任者(CEO)は、シルクロード映画祭で、「インド映画の『ダンガル きっと、つよくなる(Dangal)』が中国でも好評を博した理由の一つは、『実話』を基にしたストーリーだったから。さらに、主演を務めた俳優のアーミル・カーンの役どころがうまくはまっていた」と語った。

「中国女排」がスポーツ映画の新たな局面切り開く?

9月に日本で開催されたバレーボールワールドカップで、郎平(ラン・ピン)監督率いる中国女子チームは見事優勝を果たし、多くの中国人が歓喜の声を上げた。そして、映画「中国女排」の予告動画や、郎平監督にそっくりの女優・鞏俐(コン・リー)の後ろ姿が大きな話題となり、同作品は公開前から大きな盛り上がりを見せている。

陳監督はシルクロード映画祭の開幕式で、「中国女子バレーの物語は多くの人の心を熱くしてくれる。この作品の製作は、プレッシャーが非常に大きい。いろんな細かいところまで、できるだけ忠実に再現できるよう取り組んでいる。この作品を通して、真の女子バレーの精神と時代の変遷を伝えたい」と語った。

リアルなアスリートの姿を撮影するために、たくさんのバレーコーチを撮影現場に招き、さらに、一部の元選手や現役の選手も「自分役」を担当。「以前に撮った作品に出演していた役者よりもリアルだ」と陳監督。

中国で女子バレーに注目が集まっていることから、若者にとってバレーが魅力あるスポーツであることが分かる。若者の親の世代も約30年前に、今の若者と同じようにアイドルを追いかけるように、女子バレーを応援していた。つまり、この面では、若者とその世代の人々の間に、「壁や溝」はない。そのため、それら要素は映画「中国女排」は確実に大ヒットすることの「保証」であると見られており、さらに、クリエイターの豪華な顔ぶれも話題性があるため、期待は高まるばかりだ。

亜寧総裁は、「これは単なる映画ではなく、団結して、不屈の闘志を抱いて、懸命に努力する民族精神を表現している。そのため、大ヒットになり、スポーツ映画の新たな局面を開いてくれると信じている」と期待する。

北京聚合影聯文化伝媒有限公司の講武生・総経理は、「『中国女排』のターゲットグループは非常に幅広く、スポーツをテーマにした映画の新たな時代の幕を開けてくれるかもしれない」と期待感を示している。(編集KN)

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