Record China 2013年7月11日(木) 13時20分
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10日、米サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗したアシアナ航空機の乗客の約半数が中国人だったことが議論を呼んでいる。資料写真。
2013年7月10日、米サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗したアシアナ航空機の乗客の約半数が中国人だったことが議論を呼んでいる。世界の航空会社間で競争が激化するなか、日韓両国の航空会社は低価格で顧客を獲得しており、アシアナ航空の中国経由・米国行き便は直行便より約50%も安い。中国民航管理幹部学院の鄒建軍(ゾウ・ジエンジュン)教授は、中国国内の航空会社と空港の競争力が不足しており、ソウル、東京、シンガポールなどの空港を拠点とする航空会社に30−40%の海外旅行者を奪われていると指摘した。広州日報が伝えた。
■経由便、低価格で顧客獲得 直行便の半額
中国民航大学航空経済研究所の李暁津(リー・シャオジン)所長によると、中国−米国線は世界で最も黒字の路線とされており、利益額は米国の国内線3本の合計に相当する。
鄒教授は、中国から出国する海外旅行者9300万人余りのうち、中国の航空会社を利用する割合はわずか60%前後で、残りの30−40%はソウル、東京、シンガポールなどの空港を拠点とする航空会社に奪われていると指摘した。
航空会社を選択する上で価格は最も重要な要素の一つだ。中国−米国線では、中国国内の3大航空会社のほか、欧米、中東、日韓など世界の航空大手がしのぎを削っている。8月30日の上海発サンフランシスコ行きを例に取ると、国内の航空会社で直行便を運航しているのは、中国東方航空、中国国際航空、米ユナイテッド航空などわずかで、価格は6100−7500元(約9万9000−12万2000円)。一方、経由便の価格は、アシアナ航空3432元(約5万6000円)、全日空5300元(約8万6000円)など、3000−6000元(約4万9000−9万7000円)の低価格帯が多い。アシアナ航空の中国経由・米国行き便は直行便より最大約50%も安い。
中国の調査会社「中投顧問」の蔡建明(ツァイ・ジエンミン)研究員は「全体的に見れば、価格の安さや便数の多さ、さらに30日間のノービザ滞在許可により、中国の旅行者が大量にアシアナ航空に流れている」と分析する。
業界関係者は、日韓の航空会社が経由便で顧客を獲得している状況について、中国市場には大きな需要があり、地理的にも経由便に適していることがあるが、それ以上に乗り入れ権をめぐる問題が重要と指摘。中国−米国間では乗り入れ権の関係で直行便の数が限られているため、価格が割高になっているという。
鄒教授は、世界の航空関連データを収集・提供するオフィシャル・エアライン・ガイド(OAG)が公表したデータを取り上げ、韓国の大韓航空、アシアナ航空は中国の20都市余りで毎日70−80便を運航しており、北京、上海、広州の3空港の合計よりも多いと説明した。
■業界「中国の航空会社は競争力が不足」
航空市場の旺盛な需要を背景に、南方航空、国際航空、東方航空、海南航空など中国の航空大手は近年、相次いで国際線の開拓に力を入れている。しかしそれでも中国の消費者からは、国内の航空会社は選択肢が少なく、価格も割高だと不満の声が上がっている。
鄒教授は、観光サービスや航空輸送サービスをめぐる国際競争で中国の置かれている現状が、今回のアシアナ機事故で浮き彫りとなったと指摘。ミクロの視点では、航空会社と空港の競争力が不足しており、マクロの視点では、観光サービスや航空輸送サービスの管理に関する政策や仕組みに恐らく不備がある、との見方を示した。
ある上場航空会社のマーケティング担当者は「根本には隠れた独占がある。優良な国際便を多く就航させたいのは山々だが、資源や承認を獲得するのは容易ではない。上空通過権などの制約を受ける航路もある」と難しさを語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/YT・編集/武藤)
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