アジアユースオーケストラが東京公演、香港拠点に日本など各地の若い音楽家が結集

Record China    2019年9月1日(日) 21時20分

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香港を拠点に活動するアジアユースオーケストラが東京都内でコンサートを行った。写真は開場直後の風景。同オーケストラは、参加するアジア各国、各地の若い音楽家に質の高い練習と演奏の機会だけでなく、相互の尊敬と友情という「心の財産」をももたらしている。

日本を含むアジア各国、各地の若い音楽家をメンバーとして香港を拠点に活動するアジアユースオーケストラ(AYO)が8月30日と31日、東京都内でコンサートを行った。

AYOは傑出したバイオリニストで指揮者としても活躍し、さらに人道主義の信念による活動でも知られるユーディ・メニューイン氏と香港在住の指揮者であるリチャード・パンチャス氏により、1990年に香港で設立された。AYOのメンバーは17歳から27歳までの若い演奏者で、出身地は中国、香港、台湾、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムと広範囲だ。拠点が香港であることもあり、複雑な国際関係の影響なしにメンバーを受け入れてきたことも、大きな特徴といえる。

参加メンバーは夏季に香港で長期にわたるリハーサルキャンプを行い、その後に各地での演奏会を行う。2019年には8月10日から31日にかけて、中国大陸(上海・南京・天津・北京)、香港、台湾(台北、嘉義)、韓国(ソウル)、日本(熊本、福岡、東京)で計14回の演奏会を開催した。

今年の演奏プログラムは2種で、リムスキー・コルサコフ、ブルッフ、R.シュトラウス、ラベル、ブラームスの作品といった、個人の技術、音楽の理解、アンサンブルの完成度など難度の高い楽曲が多かった。しかし東京公演に足を運び、若い音楽家の本来の資質と猛練習、さらに演奏に取り組む真摯な姿勢を強く感じる、質の高い演奏を実現したと納得した。

演奏終了後の拍手が一通り終わった後に、指揮者が楽曲の重要な部分を演奏したメンバーを起立させると、大きな拍手が改めて鳴り響いた。プロのオーケストラの演奏会でも見られる光景だが、AYOの場合には、さらに細かく個別の演奏者を称賛する特徴があった。立ち上がった「仲間」に対して、他のメンバーが満面の笑顔で称賛する様子が印象的だった。若い演奏者が出身地の違いを超越した友情と尊敬を育むことになる活動を長期間に渡り継続している点で、AYOは参加する若者に「心の財産」をもたらし続けていると言える。(取材/如月隼人

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