人民網日本語版 2019年8月29日(木) 7時50分
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ロボットができることも多くなっているが、たくさんの職業をロボットに奪われるという時代はすぐには来ないだろうと考えている人がいるかもしれないが、2019世界ロボット大会を見学すると、それは間違いであると感じるようになるかもしれない。
ロボットができることも多くなっているが、たくさんの職業をロボットに奪われるという時代はすぐには来ないだろうと考えている人がいるかもしれないが、2019世界ロボット大会を見学すると、それは間違いであると感じるようになるかもしれない。中国青年報が伝えた。
人間の仕事をロボットが奪ってしまう時代到来?
「スピーチを始める前に、マイクをロボットに渡します」。
同大会のメインフォーラムのスピーチゲストであるマッキンゼー・アンド・カンパニーシニア・パートナーで、アジア・オペレーション業務、アジアIoT グループを共同指揮するKarel Eloot氏は、そう述べてから、ロボットUMIがイタリアのあるオペラ劇場で楽隊の指揮をする動画を流した。そのロボットの動きはとてもなめらかで自然だった。「ロボットテクノロジーと産業は日に日に成熟している」とKarel Eloot氏。
工業ロボット展示ブースでは、コーヒーを飲みながら、美しい音楽を聞くことができる。その後ろで音楽を演奏しているのがロボットバンドだ。
普通の警備の仕事なら、その一部をロボットに「取られてしまう」日も近いかもしれない。ロボット大会の会場では、中国の運搬ロケット技術研究院第12研究所のスマート警備ロボットがあれば、優必選(UBTECH)のスマート点検パトロールロボット・安巡士(ATRIS)も展示されている。
スマート点検・パトロールロボットの会場の責任者によると、ATRISには、人間より優れているところがたくさんある。例えば、「疲れ知らず」で、「24時間勤務」が可能だ。「完全に人の代わりに仕事をするということはできないが、人間の負担を軽くしてくれる」。
テクノロジーの進歩は目覚ましいにもかかわらず、同責任者によると、この人間とロボットがコラボするというパターンは、依然として「特化型人工知能(Narrow AI)」の範囲に過ぎず、「ロボットの機能は、一つのことに特化しているものの、泛用性は人には及ばない。例えば、人の警備員は、道案内なども臨機応変にこなすことができる。しかし、そのような指令がインプットされていないロボットにはそれができない」と指摘。「テクノロジーの進歩には時間が必要で、『特化型人工知能』の人間とロボットがコラボするというパターンが今後もしばらくは続くだろう」との見方を示す。
人間の安全性、利便性がより重要かもしれない
実際には、人間の仕事だけでなく、動物たちの「ペット」という立場も、本物そっくりの動物ロボットに奪われそうになっている。
大会の会場では、イヌロボット(正式名称「スマート四足ロボット」)が展示されていた。よくある人間型ロボットのようにローラーに頼って歩くのではなく、このロボットは4本の「鉄の足」で歩き、その外見はよりイヌのように見える。
このイヌロボットは、中国運搬ロケット技術研究院総体設計部が開発した。技術者である李強氏は取材に対して、「このイヌロボットは最大5キロの物を背負うことができ、地震や土石流などの自然災害が発生した際、危険で人が入ることができない場所でも、入って行くことができ、複雑で危険な救援活動を行うことができる。また、ロケット発射場のモニタリングなども行うことができる」と説明する。
「危険なことは、ロボットにしてもらう」というのが、特殊ロボット展示ブースでよりよく現れている。
操縦士が離れた場所にある操縦台の上に立ち、キャタピラ型の消防ロボットが坂を上ったり、障害を乗り越えたり、階段を下りたりするよう操縦していた。特殊ロボット中信重工開誠スマート装備有限公司の展示ブースには、そのロボットを見る人がたくさん集まっていた。
同社企画部の王志江(ワン・ジージアン)マネージャーは、「当社の消防ロボットは現在、中国全土の30以上の省・直轄市の消防関連機関、石油・石油化学関連機関が採用しており、消防・消火の実戦に数百回参加した。さまざまな火災現場に応用できる消防緊急時救援ロボット20種類以上を開発した。火災が発生すると、消防隊員は、遠隔操作してロボットを火災現場に入れる。ロボットは、火災のパラメーターを消防センターに送り、消防隊員は火災現場を分析したうえで、ロボットを操作して消火活動を行う」と説明する。
世界ロボット大会の特殊ロボットブースの一角に、メカニカル感あふれる数種類のロボットが展示されていた。それらロボットは、鉱山や化学工業工場などの危険な現場で使用される。
それは、安徽延達スマートテクノロジー有限公司の展示ブースだ。同社の張馳(ジャン・チー)最高技術責任者(CTO)は、「人とロボットのコラボというのが今後の仕事の大きな流れ。鉱山を例にすると、炭鉱は今後3-5年以内に、石炭採掘、坑道掘削、吹付、輸送などの作業の無人化が実現するだろう」と述べた。
ロボットというと、多くの人はなぜ興奮するのだろう?Karel Eloot氏は、「価値があり、コストを削減し、質を向上させ、労働生産効率を向上させることができるから。さらに、ロボットは、人間がしたいと思っていても、なかなかできないことをすることができる。人間にとっては、仕事が奪われるとかいうよりも、安全で便利な未来のほうが重要だ」と話す。
将来の人間の行く末は?
イスラエルロボット協会のズヴィ・シーラー会長は、メインフォーラムで、「将来はロボットが単独で仕事をするのではなく、ロボットとロボット、ロボットと人間が交流・協力するようになるだろう。AI(人工知能)技術と機械学が多元的に融合するだろう。スマートロボット、『人と協力する』スマートロボットになるだろう」と語った。
炭鉱作業の「無人化」を例にすると、無人化は、ロボットが人間の仕事を「奪う」という意味ではなく、ロボットが人間の代わりに、人間がするのには向かない仕事をこなすという意味だ。張CTOは取材に対して、「ロボットが人間の代わりに、危険な環境の中で作業をすれば、人間は、危険な仕事や重複作業から解放され、ロボットを遠隔操作、モニタリングすればいい」と説明する。
そして、一部の仕事を奪われると同時に、新しい仕事も生まれることになる。張CTOは、「自動車が馬車に取って代わるようになり、自動車関連の新しい仕事が生まれたのと同じく、将来の人間とロボットがコラボする作業現場でも、多くの新しい仕事をする人材が必要になる」との見方を示す。
ロボットは進歩を続けており、AI技術が発展するにつれて、新型ロボットは問題を解決する最も良い方法を自分で学習し、さらにレベルの高い作業を行えるようになるだろう。
では、人間はどうなるのだろう?ロボット大会を通して、どのような仕事がなくなり淘汰されるか、将来の社会において人間とロボットがいかに協力して共存するのかを垣間見ることができるかもしれない。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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