自由主義者と敵対する「自由の国」アメリカ―中国メディア

Record China    2013年7月5日(金) 20時30分

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4日、スノーデン氏の運命は「世界的な難題」となりつつあるが、最も煩悶しているのは当然米国だ。写真は北京で開催された3D芸術展に出品された作品。

2013年7月4日、環球時報社説が伝えたところによると、スノーデン氏は今月1日、21カ国に政治亡命を申請したが、各国の最初の反応はいずれも消極的だ。ロシアプーチン大統領が亡命に条件をつけると、スノーデン氏はただちに亡命申請を撤回した。スノーデン氏の運命は「世界的な難題」となりつつあるが、最も煩悶しているのは当然米国だ。

スノーデン氏の行動によってワシントンの名誉は地に落ちた。米国が同盟国の駐米機関を監視していたという最新の暴露は重大な結果をもたらしつつあり、フランスやドイツといったEUの国々は激しく反応している。米国の道義にもとる行動は「爆弾」のように、大西洋の体制内部で爆発を起こした。米国が世界に対してとやかく批評や指図をするのは、今後一層滑稽となるだろう。

最初にスノーデン氏は米国の偽り、公民のプライバシーを侵害する勝手ぶり、他国に対してサイバースパイ活動を行う大胆な悪党ぶりを世界に見せつけた。こうした認識や受け止め方が世界的に広がるのを、米国のソフトパワーの慣性によって阻止することはできなかった。米国以外の世界の大手メディアは気兼ねからか、井戸に落ちた米国に上から石を落とすようなことはしていない。だがスノーデン氏の暴露によって世界の人々は何度も目を覚ますこととなった。たとえはっきり口にせずとも、心の中で理解したのだ。

次にスノーデン氏は米国による威圧を世界に見せつけようとしている。彼が21カ国に亡命を申請すると、米国は直ちに無言の圧力をかけた。その顔色を見ただけで各国は尻込みしたり、言葉を濁すようになった。米国は確かにこの世界で「唯一」の超大国だ。

米国は人を人とも思わぬ尊大ぶりをこのようにはっきりと証明した。その効果はプラス面とマイナス面が相半ばする。グローバル化時代において、たとえ国際民主主義を屁とも思わずとも、極悪なボスであるのは何も良いことばかりとは限らない。そうでなければ、オバマ大統領が日本の天皇に対して「90度のお辞儀」をしたり、他国を訪問した際にその国の首脳に歯が浮くような社交辞令を言う必要がなぜあろうか?

米国は世界中のネットユーザーに英雄と持ち上げられる自由主義の青年を捕えようとしている。以前には、ウィキリークスを主宰するインターネット自由主義者を捕えようとした。世界で最も有名な2人の「インターネット自由主義の英雄」がいずれも米国の敵となった。こうした対抗は非伝統的な意義のものであり、米国が強大化するほど、そのイメージのリスクは実は高まっている。「自由の国」が世界のインターネット自由主義の精神的リーダーを許すことができない。このパラドックスはどれほど力を費やしてもはっきりと釈明できない。米国はこれまで世界で最も自由な国だと多くの人に思われてきた。だがスノーデン氏とアサンジ氏の境遇は、インターネットの世界にそれと反対の慣行を証明しつつある。今に至るも米国はどの国にも謝罪せず、批判するEU諸国に対して「監視は理にかなっている」と論争してさえいる。米国は、盗人が他人を盗人呼ばわりして逃れようとするようなことを堂々とできる国だとの国際的イメージを、自らの行動によって深めている。

公平と正義は世界各国の社会が等しく追い求めるものとなっており、国際関係のレベルに浮上しないことはあり得ない。国内でどう振る舞おうとも、国際社会での米国のモラル面の行動は、その追い求める「世界のリーダー」としての役割と全く一致しないばかりか、かなり悪いものでさえある。米国は他国にはするなと要求することを自らは繰り返し、ダブルスタンダード、マルチスタンダードを適用する。また、自らが主導して制定した国際秩序の破壊者であることが多々ある。

スノーデン事件の行方を観察すれば、関連分野での米国の将来の行動をおおよそ推測できる。「釈明」すらしない国に、われわれは何の変化も期待できないだろう。米政府がネット政策を制定する際の出発点は、今も米国の国益だ。しかも国益についての米国の理解はまだ20世紀のままで止っているようだ。

スノーデン氏は米政府に反抗する最後の自由主義の闘士ではないとわれわれは信じる。「突如やってくる」こうした闘争の背後には、静かで大きな時代の流れが常にある。それらが世界に与える衝撃は、われわれが今日目にしているものよりも大きなものである可能性が高い。「インターネットは世界を変えつつある」という言葉に対するわれわれの理解が、最終的なものになるにはまだほど遠い。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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