2019年7月8日、米華字メディア・多維新聞は、「米中貿易戦争で中国は大豆以外にも秘密のカードを持っている」とする記事を掲載した。

記事は他社の報道を引用する形で、「17年度、米国の大学に在籍する中国人学生は36万人以上と米国の留学生全体の3分の1を占めた」と説明。学費や食費など中国人学生の米国経済に対する貢献は424億ドル（約4兆6000億円）に達するとした上で、「中国当局が中国人留学生を交渉のカードにすれば米教育業界に巨大な衝撃をもたらすだろう」と指摘した。

記事によると、マサチューセッツ大学のある専門家は米誌フォーリン・ポリシーで「（米中）双方が交渉材料を手に入れたがっている」とし、高等教育が焦点になるとの見解を示した。「中国人学生を失っても各大学の致命傷にはならないが、その運営は緊迫したものになる」と述べる同氏は、米国との交渉がこう着状態に陥れば中国は「留学生カード」を切ると考えているという。

記事はまた、南カリフォルニア大学の学生募集担当者が「中国人学生を失っても財務的な影響は大して出ない。だが、『学生の多元性』への衝撃は大きい。どの国の学生が来なくなってもキャンパスの雰囲気は変わってしまう」と訴えたことも取り上げている。（翻訳・編集/野谷）