海外不動産購入に落とし穴、日本の「米国買い」の教訓を参考に―中国メディア

Record China    2013年5月22日(水) 20時17分

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22日、中国では今、「海外で不動産購入」が流行語になっている。中国社会科学院がこのほど発表した「投資白書」の中でも、「中国の不動産市場に投資するよりも、米国で不動産を購入した方が良い」と明記された。写真は江蘇省南京市で開かれた海外不動産関連の展覧会。

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2013年5月22日、中国では今、「海外で不動産購入」が流行語になっている。海外のデベロッパーと仲介業者が消費者に理念を植え付けているだけではなく、中国社会科学院がこのほど発表した2013年「投資白書」の中でも、「中国の不動産市場に投資するよりも、米国で不動産を購入した方が良い」と明記された。これが事実ならば、海外の不動産購入は絶対に得をすると言えるのだろうか。答えは「ノー」だ。北京晨報が伝えた。

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海外の不動産購入は損か得か、この問題についてはとっくの昔に回答が出されている。円相場が3倍高になった1980年代、日本の「米国買い」が悲惨な結末を迎えた。日本が1989年に、34億ドル(約3480億円)で米国文化の象徴の一つであるコロンビア映画を買収し、より重要な国家の象徴であるロックフェラー・センターを買収した際に、海外さらには米国人までもが、米国の資本主義の全盛期に建てられた偉大な建造物が、日本人の所有物になったと感じた。そればかりではなく、日本は米国資産の買収の記録を塗り替え、ロサンゼルスの繁華街の約半数の不動産を購入した。ハワイの96%以上の外国投資は日本からのもので、しかもホテルや高級住宅などの不動産に集中した。日本企業が1985年から1990年にかけて実施した、500億円(約5兆1200億円)以上の大型海外M&Aは21件に達し、そのうち18件の対象は米国企業だった。80年代末、米国の10%の不動産は、日本人の手中に収められた。

その結果、「経済法則」が日本人に教訓を与えた。三菱地所がロックフェラー・センターを買収してから間もなく、経営不振により巨額の赤字を抱え、半額で元の所有主に売却せざるを得なくなった。ソニーによるコロンビア映画の買収もその後、赤字額が日本最大のM&Aであることが証明された。また日本が8億4000万ドル(約860億円)で買収したペブルビーチゴルフリンクスと風光明媚な17マイル・ドライブも最終的に、8億2000万ドル(約840億円)の価格で元の所有主に売り返された。

あの当時、短見的で儲け主義とされた米国側の資産売却者が、実際には正しかったことを認めざるをえない。彼らは保有資産が今後獲得するはずの利益を、事前に現金化したのだ。さらに資産売却時に獲得した大量の資金により、新技術革命の基礎を築き、将来の発展において再びチャンスを真っ先につかんだのだ。そのため米国は、複雑な世界において最大限に成功の道を見つけることのできるリーダーとされている。

米国のこの手法は、多くの先進国によって模倣されている。海外移民政策を長年に渡り研究している専門家は、「米国は経済発展にボトルネックが出現するたびに、投資移民政策の緩和により市場を救っている。これは米国、カナダ、ドイツ、英国といった伝統的な移民大国に当てはまり、そしてキプロス、ポルトガル、ギリシャといった欧州諸国も例外ではない。キプロスは2008年に経済危機が発生すると、不動産購入移民政策を緩和し、不動産価格が低迷を乗り切った」と指摘した。SOHO中国の潘石屹(パン・シーイー)董事長は、「リーマン・ショック以降、私はウォールストリートを訪れたが、米国人は当時、中国人に助けてもらうことに期待していると直言していた」と語った。

仏教では「救人一命勝造七級浮屠」(人命を救う功徳は計り知れない)とされているが、盲目的に「施し」をし、得をするかもしれないと期待していたならば、人を助け自分に利益をもたらすことはできない。海外での不動産購入をめぐり、「詐欺まがい」の被害が相次いでいる。例えば米国では「住宅を購入したが維持費が支払えない」、キプロスでは「住宅を購入したが永住権を獲得できない」、カナダでは「土地を購入したが、建設の許可が下りない」といったケースが発生している。

棚からぼた餅を期待できないことは、事実によって証明されている。市況をよく知らないのに、得をしようと思い写真を見ただけで海外の不動産購入を決定してはならない。誰かが落とし穴を掘り、金持ちの中国人が飛び込むのを待っているかもしれないのだから。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/内山)

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