「良識ある日本人なら誰もが村山談話に賛同」―元内閣官房副長官・石原信雄氏

Record China    2013年5月21日(火) 10時28分

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20日、元内閣官房副長官の石原信雄氏はインタビューで「日中両国の為政者が理解を強化すること、特に頻繁に交代する日本の指導者がもっと相手の立場に立って問題を考えることを希望する」と表明した。写真は石原信雄氏 。

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2013年5月20日、日本の古参官僚、現在87歳の石原信雄氏は1987年から1995年まで内閣官房副長官を務め、7つの内閣を補佐した。このほど単独インタビューに応じた石原氏は「日中関係が谷底にあることは残念だ。日中両国の為政者が理解を強化すること、特に頻繁に交代する日本の指導者がもっと相手の立場に立って問題を考えることを希望する」と表明した。環球時報が伝えた。

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石原氏は在任中、政府各部門の事務次官の意見を集約する仕事を担っていた。日本ではこうした官僚は政策の具体的執行者であり、内閣や与党の交代によって国家公務員としての地位が変わることは通常なく、内外政策に対して中立的で持続的な考えを持つ。したがって「良識ある日本人なら誰もが『村山談話』に同意する」「日本の民間は日中関係改善を待ち望んでいる」といった日中関係に関する石原氏の発言は、日本の官僚の主流の声をある程度代表している。

環球時報:石原氏が政治機構に身を置いていた1980、90年代と比べ、現在の日中関係は過去30年近くで最悪の谷底にあるか?

石原氏:最近、日中関係が谷底にあることは残念だ。特に日中関係が非常に良好だった時代を経験した私のような者にとっては、大変見たくない状況だ。宮沢喜一政権期の1992年、中国政府が両国民共に懸念を抱く中でも未来志向の姿勢で天皇の訪中を要請し、日本側も積極的に歩調を合わせ、最終的に実現して、2000年余りの日中交流史における一大ハイライトとなったことを私は覚えている。

日中の歴代指導者が培ってきた両国の友好的雰囲気が今日破壊されたのには、大きく2つの原因があると考える。まず、新指導者が相手側の感じ方を理解できず、日中双方に意思疎通と理解が不足している。特に日本側は首相が頻繁に交代し、安倍晋三首相は2度目の登板だ。為政者はもっと相手の立場に立って考えてもらいたい。そうしてこそ理解を深めることができる。

私はすでに退官しており、日中関係がどのような段階にあるかを判定しても大きな意味はない。だが私は、経済、文化、安保分野で両国は関係が最も緊密な国であり、各々の主張によって関係が硬直化している現状は双方共に見たくないものだと考える。どの国にも様々な意見の人がいる。友好を主張する人もいれば、対立を望む人もいる。様々な主張の調整を図り、こうした調整を通じて他国との友好関係を実現することが指導者の役割だ。一国の指導者の知恵が試される時でもある。

「村山談話」に対する安倍首相の理解が最近、各界で議論の的となった。村山内閣は私が政治機構に身を置いた最後の内閣だ。日本による植民地支配を認め、侵略がアジア各国の人々に与えた極めて大きな傷についてお詫びする村山首相のやり方が、当時の三党連立政権の同意を得たこと、戦後50年にあたって日本人のあるべき反省や認識と一致していたことを私はよく分かっている。良識ある日本人なら誰もが「村山談話」に同意する。

環球時報:閣僚の靖国神社参拝を黙認する安倍首相のやり方は急進的過ぎると考えるか。

石原氏:祖先を祀り拝むのはとても自然なことだ。だが靖国神社は日本が発動した先の戦争の戦犯も祭祀している。日本の政界による参拝が中韓の強烈な抗議を招く最大の原因は、日本政府が中韓両国に日本人の思考方式を説明し、釈明していないからだ。

環球時報:米国もこのほど、安倍氏が日中関係に「面倒を引き起こしている」と述べた。米国の対日姿勢をどう見るか。

石原氏:現在日中関係、日韓関係は緊張しているが、日本の同盟国である米国は日中関係、日韓関係の改善に向けた行動に直接参与していない。もちろん米国は日本と周辺国の関係の緊張を望んでいない。こうした地域的な不安定は米国の力に影響を及ぼす。現在米国は中東地域などの問題に非常に多くの力を費やしているため、日中関係、日韓関係が安定して、地域情勢が緊張しないことを望んでいる。

環球時報:日中は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題をどう解決すべきか。

石原氏:釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で日中は各々主張があり、深刻に対立し、現在の膠着状態にまでいたった。大きな原因の1つは、両国政府共に相手国の立場と主張を国民に説明していないことにある。現在双方の国民は、相手国がどんな主張をしているのかを実は知らない。領土紛争は国際関係においてよくある問題で、これも当事国の知恵が試される。現在うまく解決できない場合、問題を先延ばしにするのも悪くない選択だ。だがこれは双方ができる限り武力衝突を避けることが前提だ。

問題の解決を望むなら、まず対話と交流の空間を創出する必要がある。もし双方共に扉を閉じて自らの主張ばかり強調するのなら、問題解決は望めない。

環球時報:日本の民間レベルが日中関係の改善を後押しする可能性はあるか。

石原氏:日本の経済界はみな両国の現状を憂慮し、問題の速やかな解決を望んでいる。もちろん外交や安保は政府の仕事であり責任だ。逆に民衆の支持がなければ、政府の取り組みも現政権も長続きしない。この意味から言って、国民には政党や指導者を選ぶ権力がある。したがって経済界、文化界を含む民間の力は積極的に政府に提言すべきだ。外交や安保が政府の責任だからといって、ただ待って政府の取り決めに任せるべきではない。日本の民間の力は政府と働きかけ合い、日中関係の改善を促すべきだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)

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