米企業が「3Dプリンタで作成できる銃の設計データ」を公開、議論が白熱―中国メディア

Record China    2013年5月12日(日) 20時31分

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10日、米国のある非営利企業が「3Dプリンタで作成できる銃の設計データ」をネット上で公開し、波紋を呼んでいる。

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2013年5月10日、米国のある非営利企業が「3Dプリンタで作成できる銃の設計データ」をネット上で公開し、波紋を呼んでいる。東方網が伝えた。

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▽誰でも銃が作成できる世の中に

ネットに接続できるパソコンと低コストのプラスチック、そして高性能3Dプリンタさえあれば、誰もが家で自由に銃を作成できるようになるとしたら――。科学の発展に伴い、危機感がますます高まると感じるのではないだろうか?米非営利企業「Difense Distributed」はこのほどYouTubeに動画を投稿し、3Dプリンタで作成した銃の発砲に世界で初めて成功したと宣言、さらにこの銃の設計データをまもなくネット上で公表し、世界各国のネットユーザーが共有できるようにするとした。

銃の設計データ公開は何を意味するのだろうか?一部の政界関係者や銃規制団体は「犯罪の温床になる」「犯罪や暴力を助長するのではないか」と懸念を示している。しかも、3Dプリンタ銃の危険性は殺傷力だけではない。この銃は都市の各地にあるセキュリティーゲートの金属探知機を「すり抜ける」ことができ、犯人がいともたやすく侵入できるのだ。

この銃は、撃針が金属であるのを除き、他の部品は全てプラスチックでできている。このほか、米国が1988年に公布した法律「Undetectable Firearms Act」に基づき、金属探知機で発見できるように6オンスの鋼鉄パーツを組み込むとしているが、設計データが一般大衆に解禁された場合、熱狂的な銃の愛好者が金属探知機から逃れるため故意にパーツを外す可能性を否定できるだろうか?

3Dプリンタ銃の開発責任者、「Difense Distributed」のコーディー・ウィルソン氏は、「この銃を設計した理由は巨大な市場ニーズだ。銃を買うのは高すぎる。コストを抑えて自分で作成した方が良い。3Dプリンタを持つ人なら、我々のウェブサイトから設計データをダウンロードすれば、誰でも自分で銃を作成できるようになる。科学技術は人々の夢を実現させるものだ。失敗を恐れ、考えることを止めてはならない。銃の氾濫が人類にリスクをもたらす可能性はあるが、だからといってやらない理由にはならない」と語る。

3Dプリンタ銃をめぐる議論はますます白熱化している。「Difense Distributed」のウェブサイトは、世界に対して鋭い質問を投げかけている。「世界の誰もが銃を製造できるようになる。政府はこの状況にいかに対応するべきなのだろうか」――。

米ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)の関係者は3Dプリンタで作成した銃について、「現行の法律では取り締まりの対象ではなく、米国では合法」としている。これを受け、サンディフック小学校銃乱射事件のショックもさめやらぬ中、銃規制派の懸念は高まっている。ニューヨークの民間銃規制団体のメンバーは、「3Dプリンタ銃が合法化されて喜ぶのは犯罪者や精神病患者、そして家庭内暴力者だ。年端もいかない子供が家庭内で惨事を引き起こす可能性もある」と語る。

スティーブ・イスラエル下院議員は、「3Dプリンタ銃によって起こりうる犯罪を防止・制約するため、1988年の法案『Undetectable Firearms Act』を改正すべきだ。同法案はまさに、非金属によって作成された、一般的でない、殺傷能力のある武器を規制するためのものだ。内容を拡大し、3Dプリンタ銃およびその類似品を規制するべきだ」と建議する。

このほか、3Dプリンタによる銃の作成自体を法律で禁止すべきとする見方もある。「誰もが銃を製造できるようになれば、暴力事件が洪水のように押し寄せるだろう。一般家庭の車庫が武器工場になる恐れもある」。

欧州刑事警察機構サイバー犯罪センターのアナリストは「現時点では、一般的な銃を利用する犯罪の方が多いが、時間の経過と技術の発展、コストの低下に伴い、犯罪者が3Dプリンタ銃を利用するようになる可能性がある」との見方を示す。

一部の国と地域では法執行機関がすでに3Dプリンタ技術やその他の新技術の監視を始めている。欧州刑事警察機構は3Dプリンタによる銃作成技術の発展に注目していくという。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/TF)

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